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【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

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事業モデル(再)構築 ・ 顧客育成のしくみ創り(2) 「実行プロセス」 ~ 既存事業の「オートキャッシュマシーン化」。でも「既存」を延長しない

1、「オートキャッシュマシーン」という表現のポイント

2、既存事業のリノベーション

3、施策の優先順位

4、フェーズの実行手順

5、30年持たせるには30年持たせるための「しくみ」が要る。「既存」を延長しない

 

1、「オートキャッシュマシーン」という表現のポイント

 「オートキャッシュマシーン」とは、会社や事業をマシーンと擬物化した表現。とりたてて特別な意味がある言い方、というわけでもない。「会社経営」という表現だと、小規模事業にはピンときにくく、一枚離れたような印象をうける。リアリティが出ない。それよりは、会社や事業は一つのハコととらえて、「ハコに稼がせる」、「ハコに金を生ませる」のような表現の方が、我がことのようにとらえやすい。「オートキャッシュマシーン」という表現は、会社や事業をお金を生むマシーンだととらえて、そのマシーンの製造を、ものづくりの感覚で取り組もうという意図を表したもの。「経営」という言葉を、「ものづくり」と置き換えてとらえ、身近なリアリティを出そうとしている、という感覚。

 ただ、「オートキャッシュマシーン」という表現にこだわることについて、意識を混同させたくないポイントが2つほどある。1つは、「マシーン」」の意味として、「店舗」とか、「工場」とかいう、物理的な固定された「ハコ」のニュアンスとは全く違う、ということ。もう1つは、「俺が頑張って稼ぐ」とか、「みんなで力を合わせて売上を上げる」とかいう意味は、さらに違う。「俺が」、「みんなで」などのような、マンパワーのニュアンスを、まずは意識から完全シャットアウトしたい。「マシーン」および「ハコ」の意味、ニュアンスは、物理的な機械や設備でも、職人技術やテクノロジーでも、そして、人の能力やマンパワーでも、ない。「マシーン=しくみ」ということを、強調したがっている、ととらえていただきたい。この「マシーン=しくみ、無形の機能」が、意思を超越して、勝手(オート)に機能していき、現金(キャッシュ)を生む(※「稼ぐ」というより「儲かる」)。 ※ 「稼ぐ」は自助努力にて、「儲かる」は勝手に、というニュアンスの違い。マシーン創りに自助努力にて死ぬ思いをし、お金が入ってくるのは、そのマシーンが勝手に働いてそうなる、という感覚を強調したがっている。

 「しくみのビックリBOX」という道具を1つ創り上げたから、老後まで安泰になって、携わるみんなをも安泰に出来た。この「しくみBOX」創りの作業をしていく。

 この「しくみBOX」である、オートキャッシュマシーンには、大きく2つの機能がある。1つは、「集客」機能、もう1つは、「顧客育成」機能。集客機能は、マーケティング施策を施して、ターゲットを自動集客する。顧客育成機能は、新規客を定着させ、その中から愛着の強い高単価客を育成する。それぞれの機能が連動して、自動的に機能していくように、しくみを構築する。そうなれば、自動的にお金が儲かるようになる。

 このうち、自動集客装置の機能は、キースメソッドの第5フェーズ、第6フェーズで構築していくテーマになる。第4フェーズのメインテーマは、自動顧客育成装置を創り上げていくほうになる。今現在の事業そのものを修正し、高単価、高利益のマシーンへと創り直してゆく。新規客が高い確率で定着してゆき、さらにその中から、常に一定割合の人が高単価、高利益率客へと育っていく。うちの信者さんのように、強い愛着を持ち、強い贔屓をしてくれて、優良な紹介客をもたらし続けてくれる。無報酬の営業マンの役割を果たしてくれながら、なおかつ、だれよりもたくさんお金を払ってくれる。夢のような理想的なお客さんだ。この人たちを「理想客」と呼ぶことにする。この「理想客」を何人創り上げることが出来るか。事業とは、経営とは、それがすべてだ。うちの事業は、うちの商品・サービスを売るのが仕事、ではない。「お客様に喜びを提供するのがうちの使命」とか、それも浅い。お客様の喜び、幸せ、メリット、ベネフィット・・・それは、手段や方法論の部分。うちの事業は、うちの商品・サービスというツールを使って、お客様に喜びや幸せを提供し、そうやって、「理想客を製造する」ビジネス、と定義しなおす。

 WEBマーケティング的な表現で言い換えると、うちの事業全体としての「コンバージョン」は、「理想客への到達」を具体数値で定義化した、その数値計測での到達値ということになる。例えば、在籍3年以上で累計購入金額100万以上とか、在籍5年以上で月額平均7万以上とか、あるいは数値でなくともプレミアム会員契約とかVIPルーム契約とか・・・。単価を載せてゆく、プレミアムサービス、商材の準備がいずれ必要になる。その前に言うまでもないが、今すでにある既存のサービス、商材に、お客様が本当に喜びや幸せ、価値をを感じない限り成り立たない話なので、それをクリアできる既存サービス、商材のグレードアップ、研ぎ澄ましが前提であることはもちろん言うまでもない。まずは既存サービス、商材、既存事業のリノベーションから取り掛かる。

 

2、既存事業のリノベーション

 うちの事業をこの「理想客製造業」として、理想客の製造工程ラインを構築していく必要がある。「新規客⇒定着客」の行程、「定着客⇒理想客」の行程をそれぞれ完成させる。自動的かつ意図的な一定の施策を打ち続けることにより、常に一定数の理想客を、限りなく計画的に造り続けてゆきたい。

 うちの会社、うちの事業の意味は、それまでとは完全に別物になる。しかし新規にゼロから創りはじめるわけではない。このプロジェクトは、新規事業の定義にもよるが、一般的な意味合いの新規事業でもない。現存する資源は当然にすべて活かす。資源というのは、既存のサービス、商材であり、それにまつわるすべてのノウハウや資産のこと。従来のサービス、商材を変えるわけではない。その従来のサービス、商材を最大のツールとして活用するためにグレードアップさせ、ツールとしての機能性を高めたい。訴求力の強いクオリティに、徹底的に刃を研ぎ直すということ。なのでこれはあくまでも、「既存事業のリノベーション」である。新たなものにゼロベースから取り掛かるというものではない。

 小さな会社、小さな商いは、行き詰まるとその都度、何か全く新しい儲け口を探そうとする。「何かおもろいことないですかあー」と、知り合いの社長巡りをしている。おもろい商品、おもろい儲け話・・・。多少の資力のある会社なら、一から投資をして設備を導入したり、システムを導入したりする。1年スパンぐらいでメインの事業が変わるようなところもある。数撃って当たりを見つける方式だ。当たりを見つけることもあるが、しかしそれまでつぎ込んできた額を何年もかかってやっと回収する。その間給料などは払えてはいるので、回収できれば上出来だ。確かに座して死を待つわけにはいかない。多くの方の生活も懸かっている。しのぎ切れるところまでしのぐしかない。とてもバイタリティ溢れていらっしゃる。このパターンが出来る方は、パワフルな方が多い印象だ。でもたいていのところは結局、続かなかった。円満な終わり方への時間を稼ぐには最適かもしれない。

 このサイクルに入る前に何とかしたい、という話だ。投資額を最小で済ませながら、今ある資源を最大に生かし、事業リノベーションし続けていくというサイクルに転換したい。サービス、商材自体や事業内容をとっかえひっかえするのではなく、既存サービス、商材の訴求論点、提供形態などを変え、その対象になる新たなマーケットを発掘し、対象マーケットのほうを拡幅してゆきたい。技術革新とか新規アイデアとか、新たなサービス、商材自体を生み出すという方向のベクトルではなく、マーケティング施策で世の中への打ち出し方、見せ方を変え、事業リノベーションをしていくという方向性の話。

 マーケティング施策自体は、もうすでに世の中に広く知られている考え方の集積であり、既存知識の組付け方のアイデアを工夫していく。インサイトターゲティングで心理的ニーズを発掘し、訴求論点の目先を変え、表現力、すなわち言葉とデザインのスキルで勝負をしていくということ。インサイトニーズを発掘するには、マーケティング知識はもちろん、ロジカルシンキングが出来なければならない。言葉のスキルはボキャブラリーの数がなければ成り立たないし、デザインとはWEBデザインのことで、その方面に通じるか、若しくはそのプロフェッショナルと組まなければならない。それぞれのジャンルに対する相当な学習と研鑽を要する。まず知識習得だけでも数年がかりで学び、並行して数年がかりで実践し形にしていく。そうやって30年持続するしくみの基礎を創っていく。即効性がなく、時間と労力がふんだんにかかるこの手法に理解が伴い、取り組んでいくという決断が出来るか、というのがまず第一次関門である。

 

3、施策の優先順位

 このマーケティング施策によるリノベーションは第5、第6フェーズでとりかかる。マーケティングなので、対象マーケットに働きかけていく。外向きの施策だ。穴の開いたバケツに水をくむことに例えると、水の流入量、蛇口の栓を開けることに当たる。もちろん沢山入ってきてほしい。お客さんを沢山呼び込む行為だ。なので、売上に詰まった会社は必ずまず最初に取り組む。他の施策よりもまずは、対外に向けてのマーケティング施策が優先される。この「施策の優先順位」にいささかの問題提起が必要になる。そもそもうちの利益率の低さ、リターン率の低さは体質としての「うちのバケツの穴」に該当する。穴の開いたバケツにどれだけ沢山水を入れても、結局漏れる。普通に考えて優先順は、穴をふさぐこと。穴が小さくなれば流入量が少なくても、リターン率は上がり、利益率は上がる。

 第4フェーズを第5、第6フェースより先行させるのは、まず穴の処置という行為を優先させる、という意味に当たる。「定着率を上げること」、これが第4フェーズのメインテーマになる。定着率を上げるには「うちでなければならない理由」が絶対不可欠だ。「うちでなければならない理由」をどう創るか、これがすべてであり、何をさておいて、「優先させること」になる。

 人は無意識の中で、どうしても目先の結果に対するウエイトが重くなる。第5、第6フェーズが先行しがちになり、違うことをいくつも並行させることも出来ないので、第4フェーズをどこまで取り組んだのか、その進捗に対して自身でも分からなくなってしまう。マーケティング施策は結果も早くわかりやすいので、のめりこみやすい。方や理想客化は数年がかりで分かりにくく、それでいいのかどうかもわからなくなり、中途で放り投げる傾向が高い。マーケティング施策が当たるようになって来て、集客は比較的成果が出るようになったのに、理想客化はおろか、定着率さえ変化のない状態が顕れてくる。ということに気づくこと自体が、数年も経ってからになる。まあそれでも、そこで気づいて修正をかけられれば、良しとするだろうが、効率性の観点から言えば、その時間はもったいない。

 あるいは、せっかく第5、第6フェーズの集客装置が機能し始め、成果も出てきたにもかかわらず、第4フェーズを意識し始めると、集客した客の質性と理想客化させたいターゲットの質性にズレを感じ、連携整合性が取れていないことに、その時点になってからやっと気づくこともある。そうなった時、第4フェーズの設定を妥協的に変更し、進捗させていくのではない。なぜなら、定着はさせられたとて、最後の局面で理想客には出来ないからだ。第5、第6フェーズのマーケティング施策の方を、ゼロベースで見直すしかない。反響を取れたら好し、数を集められたら好し、ではない。表面的に数字上、うまくいっているように見えたところで、「30年持続」の観点から見れば、何の意味もない。目的の優先上位はあくまでも、「理想客の製造」である。

 「全体設計の把握」、「全体連動一貫性」、「優先順の整理」という概念が抜け落ちると、普通にそうなる。最初から意識出来るなら、意識出来た方がいい。

 

4、フェーズの実行手順

 しかし、第4フェーズが完了してから次の第5フェーズに進む、というわけでもない。第4フェーズだけで10年近くかかるという想定なので、しばらくしてから、やはり第5フェーズにも同時並行で取り組むことになる。第5フェーズの理解、実践にも長期取り組みになるので、さらに第6フェーズも同時進行させていくことになる。それぞれに取り組みながら、かつそれぞれを連動、一貫させ、テストマーケをしながら、結果測定、フィードバックして修正をかけていく。

 それだけでは勘弁してもらえない。第5フェーズの戦略策定をしていくにあたっては、第7フェーズのロジカルシンキングが出来なければ無理だ。第5フェーズと第7フェーズの学習はほぼ同時進行になる。その段階で、自動集客マシーンとしての「WEB戦略設計図」のアウトラインが描け次第、第6フェーズで自動集客マシーン製造へと取り組む。理想客の種として、自動集客マシーンから質のいいアシストを送り、第4フェーズで構築していくオートキャッシュマシーンのライン工程で、きっちり理想客化出来るか、この実験を続けて測定していく。実地に実験、測定、修正しながら、自動集客マシーン、オートキャッシュマシーンの精度を上げていく。

 これらの作業を進めていくには、今のままの自分では難しい。能力や知識が足らない以上に、脳と心が間違いなく自分自身に邪魔をする。自己自身の意識を啓発する必要は避けられない。これが第8フェーズ。第8フェーズ意識改革は学習では無理なので、コーチングでカバーしていく。ということで結局、5つのフェーズを同時進行させ、啓発、学習、実地の取り組み、実験、測定、修正、反映と、いわゆるPDCAサイクルを、今後30年間回し続けていくことになる。ゴール以外の出口のない高速道路に乗ってしまうことになる。頭の整理はつかなくとも、心の覚悟はつきますか?

 第4フェーズに戻って、構築のプロセスは主に2つ。「新規⇒定着」、「定着⇒理想客化」。プロセスのゴールは理想客化。人間がそんなに思うようにいくわけはない。しかしあえてそこにチャレンジしていく。「限りなく、意図的に、計画的に」そうなるように。そのように理想客製造できるマシーンを、ストイックに突き詰めていく。じゃないと、「しくみ」とは言わないし、30年は持たない。「儲かってりゃ好し」、「まずは今目の前でしょ」という感覚を肯定する会ではない。

 

5、30年持たせるには30年持たせるための「しくみ」が要る。「既存」を延長しない

 経営者1人で年商2,000万売り上げる力のある人が、じゃあ34,000万上げられるかと言えば、それは物理的に無理だ。56,000万上げられる店が、1億に乗せられるかというのもやはり無理だ。23億までいった会社が10億目指すとよく言うが、やはりそれも「構造的に」無理なのだ。10億にもっていくには10億を稼ぎ出す条件を満たす「構造」が完備されていない限り、それは起こりえない。億に乗せたければ、億の自社構造的な条件を達成しなければならない。数千万と言えども、商材、人材、立地、オペレーション、マーケティング施策・・・すべての要素に一定レベル以上のクオリティに達していなければ、やはりそれは起こりえないのである。数千万上げる力がついた人が、さらに頑張ったら、残念ながら億になるわけではない。数千万の延長に数億があるわけでもなく、数億の延長に10億はないのである。そもそもが、「事業として構造的に別物」だ、という理解がない限り、それを達成していく土俵にも立てない。

 同様に、10年持てばいいのであれば、そこまで複雑に考える必要もないかもしれない。瞬間売り切り御免式の商売なら、目引きの採れる商材探しだけに全精力を傾ければいい。でも20年持たせたいとなると、やはりそれなりに、構造的な条件を満たしていく必要が出てくる。キース会は最低「30年持たせる」ことを条件にしている。30年持たせるには、その条件を満たす構造が完備されていなければ、やはりそれは無理なのだ。そのことを指して、「しくみ創り」と言っている。既存事業のリノベーションとは言っているが、創り上げなければならない「しくみ」そのものは、全く異次元、ゼロベースの「別もの」だ、ということを、意識の切り替えと前提理解が必要になる。でないと、今後の論理展開の理解に支障をきたす。つじつまがつながらない、納得がいかない、で立ち止まることになる。

 一般的には、年商ベース、金額ベースで成長の目標設定をする。しかしキース会は、年数ベース、老後サバイバルからの逆算ベースで考え、目的設定している。年商金額は、1人でやるのか数百人でやるのか、数千円の単価でやるのか数千万の単価でやるのかで変わってくる。キース会の対象の方は、小規模の方々なので、1人~数人規模、単価数千円~数万円程度を前提とし、年商額でもまあ、数千万程度を前提としている。年商額の規模を拡大することよりも、まずは何はともあれ、30年持たせる「しくみ」の構築を優先している。30年持たせるには、一定以上の規模を確保することも必要にはなってくるが、まずはしくみ「が」キャッシュを生み出すようになり、投資に回せる自己資金を確保できるようになってからになる。数億規模を目指すなら、ある程度最初からそのつもりでいく必要がある。従業員が数名はあり、扱っているサービス、商材が何かによる。

 現状すでに、数十名の従業員、年商数億規模の会社が、10億の壁、30億の壁を目指す場合も、やはりそれを満たす条件を先に明確にし、規模を大きくしても整合性にズレのない「しくみの構築」を、ゼロベースで見直す必要はある。「ズレてるしくみ」であれば、規模を大きくした時、ひずみが生じ、数年内に破綻する。しくみが未完備のまま、規模拡大も多角展開も、投資をかけていく道理はない。「ズレのないしくみ」を整備すること自体は、数百万の事業も数億の会社も、しくみの機能、内容自体は同じことになる。

 一人親方であっても、30年持つしくみを構築出来れば、遊んでいようとも、病気になろうとも、老後サバイバル資金の確保は可能だ。30持たせるのか、20年でいいのか、50年ぐらいやるつもりなのか、何年持たせるかのコントロール自体、意図的、計画的に可能になる。金額規模も数億目指したければ、1人であろうとも、それは可能になる。いくら稼ぐのか、何年続けるのか、そもそもそのこと自体が本と末の末端の意思決定の話に過ぎない。しくみが創れさえすれば、ほぼすべてが意のままだ。「しくみを創ること」、それがすべて。それ以外の道理はない。

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