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戦略思考の心・技・体(11) 技「仮説検証・分解技法」(2)~思考の手引き、思考力筋トレ

先に箱を用意する

 フレームワークの各項目を箱に見立てる。分類して分け切り、分解項目が出揃ってからそれに見合った箱を用意するのではなく、収納して入れていく箱を先に並べて用意をしておく感覚。

「その他」や「未分類」の箱を容易に作らない

 慣れないうちはほぼすべて、この「その他」や「未分類」の箱に入れようとしてしまう。この中にモレてダブってしまう。知識不足や事を知らないとこの箱の中が増えていく。前図のレパートリーの「単純分類」「プロセス配列」「異視点」などを使うときは、分けていく対象のその事柄、知識を知らないと分け切らない項目が出てしまうが、「対立型」や「数値型」は基本、「その他」や「未分類」は出ない。機械的に分け切ることが出来るから。知識不足や知らない事があれば、分ける箱を間違うが、「その他」や「未分類」は出ないという感覚。間違うことは「分類分解の精度」の問題であり、後の検証、チェックは可能だが、分け切らない、分類分解できないとそこで止まってしまい、その先の作業が進まない。精度より「作業の進捗」を優先するのが原則。

 なのでその「対立概念」や「数値、程度2分割」などの組み合わせになる「ポートフォリオ、マトリクス」も「その他」や「未分類」なく分け切り、座標軸上にプロット(配置)できる。「公式」も元々、全体を分解していく作業なので、そもそも「その他」や「未分類」は出ない。

「公式」「ポートフォリオ、マトリクス」を使いこなすことを目標にする

 なので、実践的な思考作業の中では、「公式」「ポートフォリオ、マトリクス」を使いこなせることを目標にしたい。とにかくまず、頭に何がしかの公式らしい数式か、あるいは縦軸横軸クロスの4象限マトリクス図が思い浮かぶことをくせづけする。式の中身(分解要素)やクロス軸の縦の概念、横の概念はすぐに思い浮かばなくてもいい。紙に、○○=○○☓○○と「=」と「☓」の記号だけまず書く、十字のクロスの図だけまず書く、という習慣。

公式はとにかく何でも「解決課題=あるべき姿-現状」

 私たちが解決したい課題は大きく2分すれば、「数値や目安の程度を求めたい」のか、「事柄解決へのとっかかりのヒント」を出したいのかどちらかのはず。「数値や目安の程度を求めたい」なら「フェルミ推定」だし、「事柄解決へのとっかかりのヒント」なら「ビジネスケース」のいずれかに帰結する。「数値や目安の程度を求めたい」ならフェルミ推定で学んでいるように、文字通りの「数式」を立てることになるし、「事柄解決へのとっかかりのヒント」なら一番大枠の公式は「解決課題=あるべき姿-現状」になる。さらに突っ込めば、通常私たちが悩む段階では、「数値や目安の程度を出したい」のではなく、もっとその手前の「事柄解決へのとっかかりのヒント」のはずである。数値が必要なら、事の解決はかなり進んでいるはずである。なので極論すれば、公式は基本的にまずは「解決課題=あるべき姿-現状」、これさえ知っていればなんとかなる。何でもかんでもまずこの公式からスタートして、それぞれ各項を、「解決課題」はなんだ、「あるべき姿」はどう当てはめる、とどのつまるところどうしたいのか、「現状」をどう捉えて分析チックに当てはめればよいのか、を順番にとっかかればいいのである。思考の筋トレ要チェックポイントその1は、「解決課題」「あるべき姿」「現状」の各項へのあてはめ力を鍛える、である。

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