「経営スクール & 経営コーチング」 小規模法人、店舗、個人事業の経営者様向け個別対応による講習とコーチング

経営お役立ちマガジンブログ 経営学習塾キース会 副読本 経営テーマトピックスあれこれと経営の学びコンテンツいろいろ経営お役立ちマガジンブログ 経営学習塾キース会 副読本 経営テーマトピックスあれこれと経営の学びコンテンツいろいろ

【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

Link

戦略思考の心・技・体(12) 技「仮説検証・分解技法」(3)~4象限マトリクス表で分類整理する

マトリクスはパズル遊びに持ち込め

 もう一つの「ポートフォリオ、マトリクス」(以後、マトリクスと表記)は、4象限とか言うと難しく感じるので、まず十字を書いて、上側に当てはまる概念と左側に当てはまる概念をパズルの組み合わせをするように、色々と単語を思い浮かべてみればいい。的確でなければ、やはり肌感覚でしっくりこない。普通に違和感を感じるはずだ。幸いにもしっくり来る組み合わせが思い浮かべばまさしく「キタ~っ!!」という感覚のはずである。右側と下側はそれぞれ反意語を入れてやればいい。

 公式が「事柄解決へのとっかかりのヒント」が欲しいときなら、そもそもこのマトリクスが必要な場面は、「もうすでに目の前に現出している何がしかの事象を分類整理したい」とき、そして「その中に貫かれている何がしかの法則を掴みたい」ときである。整理すれば、公式を利用するときは「未来への解決」であり、マトリクスは「過去(既知)の整理」だ。市場ニーズの分析とか、顧客ニーズの分析とかするとき。新しい市場を開拓する、とか言うと今までになかった新たなニーズを探すような感覚に陥るが、「未知なる新たなニーズ」は人為的には生み出せない。わかりきった当たり前のことだが、改めてこういう言い方をしてみると、決定的な勘違いをしていることが露呈するかもしれない。それはいわゆる「イノベーション」とも違う。「新たな市場の開拓」や「イノベーション」はいまだ手付かずだったニーズを「発見」することであり、今まで存在していなかったわけではない。今までのものの見方や意識の仕方では、隙間に入り込んでいたり、ブラインド(目隠し)されていた概念の部分を発見し、着目し、表に引きずり出して、だれよりも先に手を打つ、ということである。「そうそうそんなのが欲しかったのよ」と市場が反応しやすいものもあれば、市場自体が気づいておらず、市場の意識啓発、教育啓蒙から始めなければならないことも中にはある。後者の場合、私たちへの見え方、感じ方としては、それこそ「未知なる新たなニーズ」の開発にみえるかもしれない。が、「今までなかった」こととは違う。どう意識し、どう見て、どう分析したら、今まで気づけなかった隙間やブラインドが見えたのか、ということ。そういったセグメンテーションの概念の原則から言えば、まだまだ手付かずの未発見のマーケットは存在する。「未知のニーズ」は存在しないが、「未知のマーケット」は無限に存在する。

 その手がかりを探るための方法がこのマトリクスだということ。その手がかりを新たな一般市場に求めたくなるが、現象の分析に慣れていないとちょっと無理がありすぎる。現象の細かな点まで熟知しているほうが当然やりやすいので、ベストな分析対象は自社の顧客ということになる。自社の顧客を表面の事象ではなく、本質的な切り口でしっくりと十字に切れれば、そこに貫かれている「真の法則」が浮かんでくる。「うちのお客さんたちって本当はこういう人たちで、本質的に何を求めてうちに来ていて、うちの商品を買っていて、自分たちは無意識でこういうことを提供し、こういうことを解決していたんだ」ということが見えてくる。「だったらこういう人たちも当てはまる、ああいう人たちも対象だ、今までそこは手付かずだったなあ、呼びかけ方の表現のバリエーションもひろがるなあ」と、今まで隙間だったり、ブラインドされていた「未知のマーケット」が現出する、という感じ。体感的には「未知」とまでは大げさでも、「対象者の幅が広がる」という感じ方。慣れてきて、発見する法則の抽象度が上がれば、本人の体感ではやはり「対象の幅の広がり」の延長線上なのだが、第三者目線では、「おおっ、思い切って新たな市場に打って出たなあ」と写るということ。理屈での理解には限界のある領域。頭がパンクするまで実践して、薄皮をはがすように体感していくしか、どうしようもない。思考の筋トレ要チェックポイントその2は、暇があったらいっつも、自社顧客を十字分類パズルして遊ぶ、である。

このページのトップへ