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WEB戦略構築(6) 「自動集客マシーン化」 06 ~「滑り落ちてくる」とは?02

 「身のよじれる先行投資」の指す意味は、お金のことだけではない。それを極めようとする「時間」と「学習エネルギー」も指す。対象者がせっかく興味を持ち、知りたいと思ったのに、どうして止まってしまうのか、どうして迷子になってしまうのか。「これを知りたいけれどもどこを見ればいいのかな?」少々ストイックに感じるかもしれないが、そう思わせてしまった時点で、「終わっている」と心得るべきだ。「探さなければならない」時点で「滑り落ち」が止まっている。さらに言えば「どこ?」という単語を頭によぎらせてしまった時点で本来、ゲームオーバーだ。次に知りたいと思った内容への「入り口」は、必ずその時点で明白に視界に入って認知されていなければならない。人の「視野角」はどういうメカニズムになっているのだろうか?「認知」は「見えている」とは別のこと。では「認知」のメカニズムはどうなっているのだろうか?そのことだけを専門的に研究している「認知心理学」という世界がある、ということ自体知っていただろうか?色合いや明るさ、鮮明さ、色相・明度・彩度などの微妙な違いが与える心理的影響、などと言ったところに意識は回っているだろうか?次にクリックしてほしい「入り口」以外の情報や目に飛び込んでくる雑音、ならぬ雑然とした情報群は、それが存在するだけで意識を散漫にさせてしまう。人間は古代からのDNAで、身の危険を察知し、回避する為に、「周辺視野」に対し鋭敏に反応するようになっている。見ているつもりの対象そのものよりも、実はその周辺にある雑情報に意識を取られるようなメカニズムだ。滑り落ちてほしいのにも関わらず、良かれと思って逆に、「寄り道の誘惑」をわざわざ与えてしまっている。これらの問題意識の項目は、「デザイン」のジャンルの話だ。ざっくり最低でもこの程度の難関がある。WEBの世界では、アクセシビリティとかユーザビリティとか、「UI(ユーザーインターフェース)」というカテゴリーで研究されている。

 当然、デザインの問題だけで勘弁はしてもらえない。「コピー」、「ライティング」のジャンルにも難関がある。言葉、文字、言語表現。デザインのジャンルはまだ、プロ、制作業者に任せることは出来るかもしれない。しかし、こちらのジャンルこそは自力解決の方策を極めたい。仮に、せっかく検索ワードに引っ掛かって自社サイトを訪問してくれたとして、「留まって少し見てみようか」と思うか、「あっ違うな」と思って戻ってしまうのかの判断は、0.4秒とか0.8秒とか言っている。まさに瞬間的な判断、意思決定がなされるのである。本人でさえなぜそう思ったのか説明は出来ない、無意識下での瞬間の「理由」が存在する。あなたのお探し物はここにありますよ!!を、「瞬解」、してもらう以外の選択肢は無いのである。何とか踏ん張って留まっていただけのに、次の「知りたいへの入り口」が、目の前に迫り、ここですよ!!と、「瞬解」出来なければ、そこでゲームオーバーだ。言語表現としてわかりやすく、的確で、「一義的」である以外には、許してくれないのである。泣きたくなるような厳しさだ。「何とかわかってくれるだろう」では、最初から話になっていないのだ。表現で戸惑わせたくないに決まっている。言い回しを何回も何回もこねくり回して、それでも不安は消えず、AB実験を繰り返すのである。「トントッ」になるのか、「トントント」になるのか、「トッ」でつまずくのか、ずーっと追いかけ続ける、というのが普通だ。言語表現よりも、より「瞬解」性が高いのは、絵や図、そして写真。写真が「どんはまり」なら一発必中に近い。コピーの壁もデザインの壁も超越しやすい。しかし、「どんはまり」なら、だ。通常、ここが一番効果性が高くもあり、そして難しくもある。

 これらのことがすべてクリアされて初めて、「トントントン」なのである。「滑り落ちてきてもらう」とは、こういうこと。

 自身の事業家人生において、命を懸けた商品、サービス、技術、ノウハウ、知識・・・と同様に、それらを最もマーケットに向けて、社会に向けて、表象的に発信をかけるその最たるものが、「自社サイト」なのではないのだろうか。「身のよじれる先行投資」、をかけてもいいはずだ。お金がたくさん要るのではない。難しすぎて「身がよじれる」のだ。覚悟はいかがでしょうか? 同時に並行して、このレベルのやり取りが通じ合う、うちの「WEB担当」を捜し続けることも止めたくない。社員としての内部ソースとしてか、提携業者の外部ソースとしてか。

 行動経済学でノーベル賞をとったカーネマン教授は、「認知容易性、鮮明性、流暢性は意思決定加重に働く」ことが実験により証明されていることを、論文に記している。平たく言えば、「わかりやすけりゃ、好意的にとらえてくれて、選んでもらいやすい」のだそうだ。ノーベル賞の先生が証明してくれている、極めて決定的な真実だ。でも私たちは、この重要な真実をずっとそれ以前から知っていた。話の流れから、ここで私たちが「選んで」もらいたいのは、サイトに入って来てくれて、そのまま「留まって見てもらうこと」であり、次に知りたい内容へのリンク先、「入り口へのクリック」だ。その為には、瞬間的にわかりやすくなければ、それは起こらないのだ。

 私たちにはやれるはず。理屈ではなく感覚でわかっているから。必要以上にアカデミックな学問体系をすべて踏まえなくてもいいはずだ。私たちは、自分が何かを「選ぶ」時には、瞬間的にわかりやすいものしか選ばないのだから。

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