WEB戦略構築(30) コンテンツマーケティング(1) 売り込みから引き込みへ
「売り込み型マーケティング」から「引き込みマーケテイング」へ
・「日本人が新商品情報を入手する経路」のデータによれば、1、インターネット68%、2、店舗で見て67%、3、テレビ50%
・「今後なくなる可能性のある職業」の中には「営業マン」とある。
・高額商品購入検討に際し、営業マンに接触する前に済んでいる情報入手の割合 : 80%
・営業マンに接触する前に完了している、自社内での購買決定プロセスの割合 : 60%
・米国で今後5年の間に22%、100万人もの営業マンが職をなくす。
・バナー広告のクリック率は2000年頃は10%ほどあったが、現在では1%に遠く届かない。 ※分母が増えている。慣れてしまった。うるさく感じるようになった。
・ネットマーケティングを展開する営業会社が求める指標はCPCからCPAに移行し、さらに現在はLTVが重視されている。
とのこと。営業活動やネットマーケティングに関するデータだ。
スマホの普及に伴い、人々の情報収集はインターネットに集約されている。この流れ自体はもはや不可逆だ。営業活動、営業マンという言葉自体がいずれ死語になる、という冷徹な未来観測だ。こちらのペースでこちらのほしい情報だけ取りたい。それが実現している。であれば当然、そのペースを乱す行為は不要なのではない。迷惑なのだ。情報配信したければインターネットでやればいい、というさらに単純な話でもない。インターネット上においても売り込み、ペースを乱す情報配信は迷惑行為に当たる。メルマガや最近浸透してきたリタゲなども、もはやうっとおしい。押し売り、飛び込み営業お断りではない。メルマガ、リタゲお断り、だ。
「CPC」、「CPA」、「LTV」について。CPCとは「クリック単価」。見てほしいLP(ランディングページ)へのクリックをしてもらうためにSEOやリスティング、リタゲを施し、その効果測定をして1クリック当たりの施策費用を下げること。やれることはすべてやった企業が増え、しかし実際の購買には至らないケースも見受けられるため、CPAが求められるようになる。CPAとは「顧客獲得単価」。LPを見てもらうだけでなく、実際の購買までをゴールと設定して施策を打つ。主にはLP自体の内容、コピー、キャンペーンなどの改善と計測。いわゆる「あおり」と呼ばれるキャッチコピーや「初回お試し」でハードルを極端にさげるなどの施策。CPA自体は上がるようになったが、大半が初回で離脱。継続には至らない点を克服するべく、改めて、LTVこそが重要であるという認識に回帰している。LTVとは「顧客生涯価値」。その顧客生涯の通算で売上額を考える。初期段階はむしろ、逆に投資をかけじっくり育てて、いずれ大きな顧客に育ってもらう考え方。マーケティングの世界も、IT、WEBの世界もその考え方が主流になっている。そこでマーケティングの新しい考え方、手法として、コンテンツマーケティングが中心になっている。顧客自らがほしいと思う、本当に見たい思うコンテンツを作成し、顧客自らの検索行動にて見つけてもらうことを目指す手法。
googleが世界支配達成の原動力となったリスティング広告も、ビッグキーワードに至っては大企業しか取れなくなり、白黒がつきつつある。小規模な事業には費用的なハードルが高くなり、マスメディア広告化しつつある。ニッチで独自な入り口に活路を見出したい、しかし対象者が実際に認知ある表現でなければ入力もしてもらえない。という背景から、キーワード広告から「SNSでの拡散」、「被リンクの獲得」へと、WEB業者にとってのSEO対策や営業手法が変化している。
いずれにしても本当に見たいと思える濃い内容、お役立ち情報、面白さ、刺激・・・が求められ、前のめりでたどり着いてもらえる引力をもつ必要に迫られている。ネット上に書籍やマガジンのベストセラーを一冊築かないと生き残れない、というぐらいの認識が必要だ。WEB施策という範囲の話だけではなく、マーケティングという大きなくくり全体で、最重要スキルが、「優良コンテンツ作成能力」になってしまった。この流れはもはや不可逆だ。これがネットとスマホのもたらしている現実。既存の商売の在り方のままで成り立つとは思わないほうがいい。早いうちに(というかもうすでに遅いほうだろうが)気づいて切り替えないと、致命的でさえあると思う。現状は、大企業が順次、独自のコンテンツを確立しつつあるという段階だろうか。知名度のある企業で取り組んでいない企業は無いようだ。ほぼ確実にこの流れは推進されていく。この勉強会の対象の人たちは、ITに熟達していたり、最先端に使いこなしたり、文章力が秀でていたり、コンテンツ作成能力が確立している人たちではないという前提で、このテキスト内で一番リアルに訴えたいことの一つだ。
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