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WEB戦略構築(41) コンテンツマーケティング(12) SNSの前に根源理解を改めて

根源理解を改めて

 今までもさんざん文字数を費やしてきてくどいが、まず「根源的な理解を改めて」ということで、以下の要点について総合的に確認しておきたい。

   ・戦略と戦術を一貫させる

   ・戦略設計図に基づいて具体施策を構築していくという順序

   ・アイデンティティと導線の理解を区分けし、表現し、配置する

   ・目的を一義的に定義し、目標に分解し、コンバージョン設定する

 「SNSマーケティング」というタイトルだが、フェイスブックやツイッター、ラインやインスタグラムなどの有効な具体的活用方法にはほとんど触れない。このテキストの趣旨および「キース会」のそもそもの趣旨は、30年スパンで生き残ることを前提にした、「根源的理解から生み出す、つじつまの合った戦略と戦術の一貫性」だ。なので末端の具体施策も当然重要だが、何よりもまず出来るだけ根源的な理解を優先したい。このSNSの項目については特にブームであり、もはや主流になりつつあるだけに、拙速にとりあえずの感覚で始めがちで、施策と意図、すなわち戦術と戦略がずれやすい。ある一側面の部分には多大なエネルギーを費やしているのに、もっと根源的な重要な項目には意識もなくスコンと抜けていたり、あるいは前後の脈絡が矛盾していたり、で、結局何をどうしたいのか、目的自体があいまいでぼやっとしていることが多い。「いいね」の数やフォロワーの数が最終目的化してしまう。それにより達成感や承認欲求が満たされてしまい、「で、それから?」にまで考えが及ばなくなりがちだ。

 だんだん気づきながら修正していけばいいのだろうが、結構根本的なところからやり直さなければならない場合、相当面倒臭く気持ちがくじける。中途半端に数を多く集めてしまっていると修正作業自体も難しく、成功の自己否定感に患うことにもなりかねない。手順としては先に戦略設計図が頭に構想出来た上で、各SNS媒体の「役割」と「位置づけ」を決めてから取り掛かるのが、当然理想的だ。それによって掲載するコンテンツ内容が全然別物になる可能性があるからだ。

 「拙速にとりあえず」はやらないほうがいい、というわけでもない。各SNSの世界がどんななのか、どういうものが人気を博しているのか、どんな効果が得られどんな現象が起こっているのか、実際の肌感覚的なものは色々と実際に遊んでみないとわからない。いざやるときに具体操作でまごついて時間を食ってもつまらない。出来れば一通り、個人アカウントか後々変更の利くようにアカウント作成して、最低限の操作が出来るようにはしておきたい。どの媒体にするかは自分の好みで選ぶとかではなく、登録者数基準だ。ここ直近ならフェイスブック、ツイッター、ライン、インスタグラムでそれぞれ作成しておく。

 どれをメインにするか、どれはやらないかは戦略設計図上の「役割」と「ポジション」による。SNS媒体の役割やポジションは、業種、商品・サービス内容、マーケティング施策全体の「目的」、により決まる。「自分はフェイスブックだいぶやってるんで」、「いまさらツイッターデビューですか?」「店舗だからラインかなと思ってるんですけど」、「いや主流はインスタグラムになりつつあるみたいですよ」とか、媒体先行するとずれやすい。そんなふうに実行手順が前後してボタンを掛け違っていく。どこまでいっても末端施策や媒体が先行する道理はない。「この媒体、このコンテンツで目的や役割の整合性に沿うか?」を自問しながら媒体の取捨選択をしたい。そうなってもやり直しがきく範囲で遊んでおこう。個人でのコミュニケーションツールとしての利用と「WEBコンテンツマーケティング戦略」のツールとしての利用は別の話だ。意識の中でまったく別のこととして、自身の中での認識上、属する領域を区分けしておくほうが理解が楽かと思う。

 とはいうものの、「戦略設計図」と言ったって、びしっと整合性のとれたものを最初に考えることは無理に近い。よほどの企画力、すなわち知識・情報量と論理思考力、戦略思考力が訓練されていない限り、考え方自体がわからない。一般的に「目的から考える」のだが、この目的設定がずれる。「売上金額」とか「集客人数」とやってしまうと、「WEBコンテンツマーケティング戦略」の戦略設計図の範囲を超えてしまう。というより「計測可能なゴール」にならない。

 アナリティクスでのアクセス解析では「コンバージョン」という表現になっている。そのサイト上でのゴール設定や目標設定のこと。そのゴールや目標に対して、そのサイトがどの程度有効に機能しているかを測定することをアクセス解析という。ということはそのゴールや目標は最終的に、そのサイト上にて具体的な数値に現れなければ計測も解析も出来ない。アクセス解析上「売上金額」とか「集客人数」とかを、どうやって測定させればいいのか、そのことを具体的、一義的に定める必要がある。「購入ボタン」や「予約ボタン」とその「入力フォーム」が設けられているようなサイトなら、その「購入ボタン」や「予約ボタン」をクリックし、その入力フォームのページにたどり着くことがゴールになる。そのゴールにたどり着くためには、サイトの訪問者が何ページ閲覧したのか、何分滞在したのかなど、その平均的な傾向が見えてくれば、その平均値をクリアすることが各目標になる。なので、「WEBコンテンツマーケティング戦略の目的」は何かと言えば、「売上金額」、「集客人数」などという表現ではなく、「入力フォームのページへの到着」となる。

 「要は同じことですよね」ではない。ここで言っているのは表現、言い方、「定義」の仕方があいまいだと設計図が書けないことはおろか、測定や解析すら出来ず、アクセス解析の目的である原因究明にも至れない、ということを言っている。一旦調子が悪くなり、集客人数が減った、アクセス数が減った、アクセスはあるのにゴールにつながらないなど、「なぜそうなったのか?」。パシッと答えの返ってくるケースはまずない。コンバージョンが具体一義的で、導線連携の順番が確定的に決まっていれば、アクセス解析上、ボトルネックの数値は明らかに出るはずだ。ゴール設定や目的設定の「具体一義的」な定義表現は自分の感覚ではなく、AI(人工知能)様目線で理解のしてもらえそうな設定が必要だということ。アナリティクスに少し慣れることが先かもしれない。

 「購入ボタン」や「予約ボタン」の設けてあるサイトならコンバージョンは明らかだ。では、そうではないサイトの場合の具体一義なゴールはどうなるのだろうか?SNSだのオウンドメディアだの全然それ以前に、そもそもこのことがまずは何よりも問題なのではないか。「何回」訪問してもらえばいいのか、「何ページ」閲覧してもらえばいいのか、「何分」滞在してもらえばいいのか、そして「どのページ」にたどり着いてもらえばいいのか。そういう意識をもって、そういう構成にしてあるサイトを作ってあるのだろうか。ここで言うサイトとは必ずしもホームページに限らない。以前詳細に解説した「自社アイデンティティの全力表現の場」を意図する。ここまでたどり着いてもらって、この内容を過不足なく読んでもらって、それでだめならどうしようもない、万策尽きて本望だ、潔くあきらめもつく。それぐらいくそっきり全力で表現し、全身全霊絞り切ったコンテンツのことを意図している。※力んだり気負ったりという意味とは当然違う。力むと詰まるし、気負うとずれやすい。

 ここにたどり着いてもらうためには何が必要で、どうしたらいいかを逆算していく。どんな内容のコンテンツをどういう順番で掲載すればそこまで「滑り落ちてきて」くれるのか、その内容をどう分割して連携させると機能するのかを考える。その分割したコンテンツを配置するその箱、配置していく順番のその乗り物がHPLP、オウンドメディアであり、ポータルサイトやそしてSNSになる。どの食器を選ぶかは料理次第だ。主従、本末、矢印の向き、思考の構築順序を間違えないことがまずは第一という話。という意識を鮮明にした上で、実際には末端具体的な作業を先に進めながら、後付けで戦略構想や目的のつじつまを合わせていくことにはなる。

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