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事業承継スキーム(13) 「一般社団法人」「信託」(5) ~ケース解説

今回は事例ケースをもとに、内容をまとめていきたいと思います。要はやりたいことは、「オーナー社長が息子へ株を引き継ぐ為に一般社団法人を設立し、その一般社団法人を受託者として自社株を信託し、最初は自らを受益者とする自益信託として、死後は息子が受益者となるよう遺言代用信託を活用する」ということです。

ケース : オーナー社長キースは一般社団法人キース会を設立し、キースコンサルの株をキース会に自身を受益者とする自益信託し、死後は配偶者キス子、後継社長の長男キス男、次男キス二、長女キス美と、キス男の長男()キス三をキースの養子とし、5名を受益者と指定する遺言代用信託とした。死後の受益権は法定相続分通り。さらに配偶者キス子の死後の受益権は養子のキス三()を受益者とする受益者連続型信託も併せて設定。そして株主の議決権行使指図権は代々のキース会理事長が行使する旨設定。

ややこしいですが、キースコンサルの株を資産管理目的として、一般社団法人キース会を設立します。まずは信託設定時点ではキース自身を受益者とするため、課税関係は発生しません。キースの死後、相続発生とともに受益権も移転し、相続人それぞれに相続税が発生します。しかし受益権は法定相続分通りの分配ですから、基礎控除の頭数と配偶者控除の適用で税負担の軽減が期待できます。

自社株の承継においては、通常、議決権確保のために後継者のキス男が少なくとも2/3は承継する必要があり、税負担の問題が発生するのですが、信託活用の最大のポイントは、株に紐づく資産としての側面と議決権の側面を切り離せる、ということです。「「議決権行使の指図権」は代々のキース会理事長が行使する」と設定しておけば、後継者キス男は100%株主と同様に意思決定を行なえ、株承継の税負担は、法定相続分程度の負担で済む、ということです。

そして先回見ました、遺留分の問題も法定相続分で分配することにより、その心配は解消することになります。兄弟仲が微妙でもキス二もキス美も意義の申し立てようが無くなります。議決権の問題と遺留分の問題をクリアできれば、通常の相続対策、シンプルな相続税対策の論点として対策を進めやすくなるということです。

税法上、養子縁組は2人まで法定相続人にカウントしてよいことになっていますので、単純に法定相続人を増やす効果として孫のキス三を養子とし、基礎控除額の増額と、個別の課税額で税率のダウンも狙えるかもわかりません。

しかし、むやみやたらに養子を増やしても株の受益権の問題ですから、節税のために後々複雑にしてしまっては、対策自体の本末が転倒してしまいます。このケースはキス三は将来的に、キス男の後継予定者としての養子ということになります。

配偶者のキス子を使うと、一次相続での税軽減はありますが、二次相続でまた課税が発生します。さらにキス男からキス三への三次相続は回避したいため、キス子の次はキス三へと言うように、せっかくまとまった対策を打っている時にそこまで配慮しているということです。

キス三を養子にすると色々メリットがあるのも事実ですが、デメリットとしては、法定相続人以外の相続人は相続税が2割増しの「2割加算」というルールがあり、孫から養子の立場になっても、孫養子の場合はこの2割加算が適用されます。

対策の打ち方としては、次世代のことはどうなるかわからないからその時にまた考えればいい、と言っているとその時になってだれかがきちんと考えてくれる保証はありません。次世代としてもむしろ、どうしていいかはわからないはずです。無用な混乱が生じる可能性が高い、という想定で一応先々まで、まとまった対策を考えた機会に、想定できる範囲は対策をしておくということです。

しかし現実には、キス子が相続発生まで受益権保持するというよりは、老後の生活資金などへのキャッシュ還元がしたいはずです。その場合には、キス子は信託解除をすると、キース会から株式の持分が手元に戻ります(株券が来るわけではなく)。キス子がそれを持っていても無意味なので、その時点で社長のキス男が買取のできるキャッシュを持っていれば買い取るのも方法ですし、他に例えばキースコンサル社が自社株買いとして買い取るというのも方法です。その時点での状況に応じて方法を検討すればいいことになります。要はこういうフレキシブルさ、対策としての次の手を打てるまでのキャッシュ確保、時間の確保が出来る、ということが今回のスキームの活用メリットであるということです。

信託のフレキシブルさは、いったん決めたら変えられないということではなく、原則、委託者と受益者の合意で設定、解除できます。このケースでもキースの相続発生前でも社長のポジションを譲ることは出来ますし(株の引継ぎとは別で)、引退の際に退職金を支給し、株価の引き下げ効果が出れば、その時点で信託の内容を、キス男を受益者とする他益信託に変更し、その時点で株も引き継いでしまうことも可能です。その際にキス男は「相続時精算課税制度」を選択しておけば、課税は相続発生時ですが(2500万以下なら)、株価はこの引き下がった時点での価額固定できます。

フレキシブルとは言っても、他益信託の場合はその時点で課税関係は発生しますので、なかったことには出来ません。

さらっと使ってしまっていますが、各種用語や単語の解説をもっとさしはさみたいところですが、ボリュームが増え、かえって混乱しそうですので何かの機会に改めます。

かなりハードな内容でしたが、かなり使えるものではないでしょうか。

長くなりましたので、今回はこの辺に致します。次回以降は「自社株」という論点から一旦離れまして、不動産の活用や贈与スキーム、M&Aなどについて見ていきたいと思います。

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