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オーナー経営者VS税制改正(2) 改正内容 02 ~25年度改正内容を改めて

 1、上場株式と債券の譲渡損益の損益通算が可能に

 2、債券のデフォルト損失も損益通算の対象に

 3、少人数私募債の利子所得が総合課税に

 4、上場株式と非上場株式の譲渡損益の損益通算は不可に

これらについての関連記事(「税務弘報」20137号より)を抜粋します。

中小法人オーナーとしては34、あたりの内容(下段記事56)が、影響がおありかと思います。

1、公社債等の譲渡損益の実際

甲:今回,譲渡所得が非課税から課税になり,逆に言えば損が出た場合は損益通算ができるということになったわけですが,実際のところ,公社債等の譲渡損益というのは, どのような商品にどのような要素から生ずるのでしょうか。かなり出ているものなのですか。

乙:そうですね。これだけ円安が進みますと,大きく外債の円ベ一スでの価格が増えることになります。また,今,金利が非常に低い状況なのですが,そうすると金利が高い債券の価格は上昇することになります。このように,為替や金利の情勢によって債券の価格が変動するといったことがあります。

甲:今は,円安方向にどんどん振れているわけですから,そういう意味でいえば益のほうが増えているということですね。

乙:リーマン・ショック当時の急激な円高で,外債でかなり損失を抱えた方が多かったという状況でしたが,今はその逆の状況が生じているという感じですね。

甲:外債については,リーマン・ショックで100あったものが半分ぐらいになってしまって,さらにその後のユーロ危機で,結局20とか30ぐらいになってしまっている例もあるようです。今はある程度まで戻している方はいらっしゃると思いますけれども,なかなかこの傷は大きいですね。

丙:だからこそ損益通算の意味がありますね。

甲:今までは全く使えなかったものが,損益通算できれば,リスクをとってもらえることになりますので、意味があるのかなと思います。

 

2、譲渡損益課税の影響

特定公社債等

甲:公社債の譲渡損益が課税対象に入ることによる影響は,具体的にはどのようなものになりますか。特定公社債等と一般公社債等に分けて,教えていただけますか。乙さん,まず特定公社債等についてはいかがでしょうか。

乙:従来は,公社債の譲渡に係る損益は原則として非課税で,一部のものを除いて課税対象にならなかったので,得をした場合,例えば外債でいうと円安方向に動いたときの利益は課税されないと同時に,大きく円高に振れたときに出る損失も控除できませんでした。この損失が控除対象になるのはバランスがとれると思います。

特に近年は,先ほども申しあげたように為替や借用不安で多額の損失が生じていたわけですが,非課税との関係でその損失は全く面倒が見られず切り捨てられていたわけです。上場株式等の譲渡益との損益通算が可能になる点や,配当・利子等との損益通算も可能になる点は大きな意味があると思います。

一般公社債等

甲:一般公社債等は,非上場株式と同じグループに入りましたので,非上場株式の譲渡損・譲渡益とは相殺ができるようになります。一般公社債,つまり私募債などの損益の状況はどうなのでしょうか。例えば,海外の私募債みたいなものはあるのですか。

乙:われわれが扱っているもので対象になるかもしれないと考えているのは,海外のSPCなどが発行する債券です。これは私募の形で発行され,特定公社債の定義に該当しませんので,一般公社債になります。

 

3、割引債の源泉徴収

甲:今まで,通常の割引債は18%源泉分離課税という形だったと思いますが,今回の改正では,基本的には特定公社債か一般公社債かに分かれて課税方式の中に組み入れられていくわけですね。通常18%源泉分離課税の割引債は,ほとんど特定公社債と考えてよいのでしょうか。

乙:はい。特定公社債に入るという理解です。

甲:改正前の税制ですと,租税特別措置法37条の16で一定の割引債,つまり海外で発行された割引債で国内で譲渡等をした場合については,譲渡所得の課税が例外的に行われているものがあったのですが,これも,今後は「特定」と「一般」に区分されていくというふうになりますね。ただ,具体的な商品との関係がよくわからないのですが教えていただけますか。

乙:例えば,米国のトレジャリーボンドについては,割引債として取り扱われるものがありますが.これらは特定公社債に含まれます。従来は,例外的に総合課税の譲渡所得とされていたのですが,改正後は特定公社債等の譲渡所得になるかと思われます。

甲:ところで割引債については,発行時18%源泉分離課税が廃止されますが,源泉徴収そのものがなくなるわけではなくて,償還時に償還金について源泉徴収が行われます。償還金にみなし割引l率を乗じて償還差益金相当額を計算し,その20%(所得税15%,住民税5%,法人は所得税のみ)の源泉徴収が行われます。法律などを見ますと一定のみなし割引率というものが償遼年数によって決まっています。

例えば1年以内のものだったら0.2%,1年を超えると25%という形で定められています。1年以内と1年超で随分差が激しいのですが,これは実際どうなのでしょうか。

乙:本来はもう少し細かい区分けにしようという議論があったと聞いていますが,最終的にこういった形で決着したということです。

甲:1年ちょっとでやはり25%ぐらいの差益があるのですか?

乙:それは金利状況や発行体の信用力にもよりますので,一概には言えないと思います。なお,100円の額面で90円で発行した割引債があるとして,100円の25%だと25円がみなし利益で,それに20%をかけて5円が源泉徴収されることになります。

一方,実際には90円と100円の差額10円に対して,20%をかけると2円.これが本来の税額になるわけです。ここで注意すべき点として,申告を行えば,5円と2円の差額の3円は還付されるということです。

なお一般投資家は特定口座の中で源泉税については精算されますので,通常の債券との差異はないと考えてよいのかもしれません。          (続く)

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