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「大阪都構想の住民投票」をロジカルに斬ってみよう(3)

 結局、利権獲得合戦の「福袋」化させて、中身を色々と包括的にしたものを自分たちが獲得する為に、何も知らない市民を利用した、というのが今回のイベント。橋下氏や維新への批判のつもりは一切ない。彼らでなくても誰かがそれを獲る。橋下氏も巻き込まれて利用されたのでは?本当に通すなら、絶対に敵は作らないし、水面下で調整、工作をするのが政治のあり方だ。きっと良心の呵責にさいなまれて、大勢獲得の空気感を醸成する前の中半端な段階で、表沙汰のイベントにしてしまったのだろう。最後の会見は、負けてほっとしたようにしか見えなかった。「政治家」にはなれなかった人。ただただ、何も突っ込んで知ろうとしない市民が一番悪い。考えることを放棄したつけはこうやって被る。

 

ロジカルにまとめ

 「客観」的な事実・真実と言って列挙したが、やはり反対目線での偏った列挙のように思う。私個人は賛成票は投じなかったが、「反対」派ではない。なんとかはしないといけない。今回の争点、投票の論点を改めてまとめてみる。ABの選択肢の実態としてはこういうことだ。

 Aは、「大阪発展のために何か手を打つなら、知事と市長が同志である今しかない。今見えている範囲で不合理なことは即刻改善しよう。東京のようになるかはやってみなければわからないが、何もしないよりはなんでもいいから動いてみるしかない。方法や中身より積極的なアクションが重要だ。アクションに重要なのはスピードだ。同じ区域内に意思決定が2つあるのは障害に他ならない。東京の一極集中は国家にとっての大いなるリスクに違いない。その解消のために、副首都論や道州制も唱えてきたが、官僚を動かすことはぴくりともできなかった。彼らを動かそうと画策しても永遠にその時は来ない。もうこっちでできる範囲でできることから動くしかない。できることの最大のことは「府」という範囲での意思決定だ。それなのに「市」が拮抗してなにもことが進まないのはデメリットでしかない。まず第一のアクションとして「市」をなくそう。方法論のいい悪いは、今の時点で判断なんかできるわけがない。後世の歴史評価だ。それを気にして何も動かないことが最悪なのだ。大事なことはアクションであり実行力だ。だって政治の本質は、利害獲得団体の代表者である政治家による、多数派工作であり、決戦なのだから。」という選択肢。

 

 かたやBは、「Aの論には一定の理があること自体はだれも異論はない。だからこそ今まで何か方法はないかとともに模索してきた。たしかに中央を動かすことは難しいことは認めるし、こっちでできる範囲で何かのアクションをとるしかないのも事実だ。しかしだからといってとりあえず何でもいいからやってみるというわけにはいかない。現実的にどちらへどう動かそうと、利益になる人もあれば不利益になる人もいる。万人に利益のある方法はないとはいえ、行政である以上、民意を受けた代表である以上、どちらへ動かすかという問題は極めて慎重であるべきだし、とりうる範囲で最もベターの選択肢をとるべきだ。その観点からすると今回の案はあまりにも粗く、拙速に過ぎるきらいがある。なのになにゆえそんなにせかすのか。スピードが大事とはいえ、やってしまっては取り返しのつかないこともある。「市」をなくすことが最善というわけではどう考えてもない。「市」こそ一番の核、心臓部と見立てて、そこを中心に「府」という範囲ではなくて、もっと広域に他府県と一体になって方法を模索し、もっと大きなうねりをつくり、中央が動かざるを得ない方法の模索も視野に入れたほうが効率的に決まっている。中央省庁の支所、分所化が必要だという理由をいかに作るのか。それさえかなえば、企業も必ずしも東京である必要はなくなるかもしれない。そうなれば人の流れも変わる。交通網も整備の必要が出てくる。そうなればやっと世界のマネーも目を向ける。この流れ以外にはやはり難しい。もう少しそこへ向けての画策を続けてもいいのではないか。そうなったときには心臓部である「大阪市」は必要だ。今回なくしてしまえば、もう元には戻せない。まだこんなに何もかもまとまらない、方向性さえままならない構想の段階で、やってしまえば元には戻れない決定を先にしてしまうのは順番が違う。あまりにも危険な選択だ。今この段階で「市」の廃止を決定すべきではない。」という選択肢。

 

 ここまでの理解が伴っての投票だったのだろうか。深く物事をとらえ、徹底的に考えるということをしないということは、かくもおそろしい。せっかくできた、大阪、日本を考えるこの流れを止めないことが大事なのだが。やはり過去の出来事で終わってしまった。            (大阪都構想の住民投票をロジカルに斬ってみよう 一区切り)

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