学びのコンテンツいろいろ(8) 公的機関(3) ~商工会議所、近畿経済産業局
商工会議所、近畿経済産業局
今回も引き続き「公的」な経営サポート機関について。前回の資金調達サポート機関から今回は、総合経営サポート機関について。
大阪で利用出来る主要なもので、国の管轄「近畿経済産業局」、「中小企業基盤整備機構」、「商工会議所」と、自治体管轄「MOBIO」、「大阪産業創造館」について。
まず、「商工会議所」について。地域の経営サポート機関の代表格のイメージがあり、名称についての認知度は高いのではないだろうか。「商工会」のことですよね?と問いたくなるが、厳密に言うとそれぞれ別の機関のようだ。
「商工会議所」は商工会議所法に基く、認可法人で経済産業省の経済産業政策局の管轄。非営利事業については非課税特典はあるが、基本は民間事業のようだ。全国の「市」の単位で設けられている。大阪市は「大阪商工会議所」、いわゆる「大商」で、松屋町筋と本町通の交点のところにある「マイドームおおさか」に拠点がある。大商の初代会頭が、NHKの朝ドラで一躍ブームになった「五代様」こと、五代友厚である。大阪の経済界の礎を築いた人だ。マイドームおおさかには銅像が立っている。大商の場合は、関西全体の代表的な経済団体でもある。その他の東大阪市や堺市など主要な市には、それぞれに会議所がある。
全国各市の商工会議所の総元が日本商工会議所、いわゆる「日商」だ。簿記検定やPC検定のあの日商。日本経済団体連合会、いわゆる「経団連」、経済同友会、いわゆる「同友会」と並び、「経済三団体」の1つ。
もう一方の「商工会」は、商工会法に基く、特別認可法人で、同じく経産省の管轄だが、こちらは中小企業庁の管轄だ。市よりもっと小さい行政区、町、村レベルで設けられている。会議所より、より地域性、公共性が強いニュアンスだろう。大阪では町村というより小さな市、摂津市とか阪南市とか能勢町とか、そういう単位で設けられている。
商工会議所、商工会、サービス提供の範囲の大小はあるが、概ね共通して、「ビジネスマッチング」「採用・スキルアップ」「資金調達」「共済・保険」などのサポートをしてくれる。会議所も商工会も対象は自営業者も含めた経営者。年会費を事業規模ごとに、年間10,000円~、入会費3,000円程度で入会し、サービス利用が出来る。ライオンズやロータリーのように紹介者がないと入れてくれないという敷居はなく、常時会員募集している。大商などでは、割と有名人のセミナーなどもあり、ちょっとした経営相談なども利用できていいのではないだろうか。
会員さんの多くは、商談先や人脈形成が目的だ。そう言った意味では、青年会議所、いわゆる「JC」にも併せて入っている人が多いのではないだろうか。JCについては趣旨が違うので割愛。
国管轄の経営サポート機関で、より直轄な経産省の出先機関である「近畿経済産業局」とそして、後述する「産創館」ともう一つの今回のメインである「中小企業基盤機構」について。
まず近畿経済産業局から。まあ平たく、経産省の近畿出張所のようなもの。谷町の府庁舎のエリアにある。あまり関係ないが、この機会なので複雑な省庁の組織図、経産省の例をを示してみる。
「経済産業省組織概略」
-
経済産業大臣
-
経済産業副大臣
-
経済産業大臣政務官
-
経済産業大臣補佐官
-
経済産業事務次官
-
経済産業審議官
-
経済産業大臣秘書官
-
大臣官房
-
経済産業政策局
-
通商政策局
-
貿易経済協力局
-
産業技術環境局
-
製造産業局
-
商務情報政策局
-
産業構造審議会
-
消費経済審議会
-
日本工業標準調査会
-
計量行政審議会
-
中央鉱山保安協議会
-
輸出入取引審議会
-
国立研究開発法人審議会
-
化学物質審議会
-
電力取引監視等委員会
-
経済産業局
-
北海道経済産業局(位置:札幌市)
-
東北経済産業局(仙台市)
-
関東経済産業局(さいたま市)
-
中部経済産業局(名古屋市)
-
「近畿経済産業局(大阪市)」
-
中国経済産業局(広島市)
-
四国経済産業局(高松市)
-
九州経済産業局(福岡市)
-
-
産業保安監督部
-
北海道産業保安監督部
-
関東東北産業保安監督部
-
中部近畿産業保安監督部
-
中国四国産業保安監督部
-
九州産業保安監督部
-
那覇産業保安監督事務所
-
-
資源エネルギー庁
-
特許庁
-
「中小企業庁」
所管独立行政法人
-
経済産業研究所
-
工業所有権情報・研修館
-
日本貿易保険
-
産業技術総合研究所
-
製品評価技術基盤機構
-
新エネルギー・産業技術総合開発機構
-
日本貿易振興機構
-
物質・材料研究機構
-
情報処理推進機構
-
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
-
「中小企業基盤整備機構」
ざっくりこんな感じ。
「中小企業基盤整備機構」は、外局の中小企業庁管轄の独立行政法人という位置づけのもの。国の役所だけれども、国の運営だと規制に抵触したり、差しさわりがあるといけないので、もう少しフレキシブルに企画したり、広報活動したりしやすいように、というようなことだろう。情報収集や知識習得の目的であれば、かなり重宝で便利なので、まずは本題の1つ目として詳しく見ていきたい。