目的達成のレシピ(11) 買い物メモを作る : 現状分析およびプロセス分解し、必要な要素をリストアップする(6)~向こう側から見る
⑪到達地点から現在の絵を描く
・目標設定することの目的として、緊張構造を作り出すことがありますが、そのために目標の絵、到達地点の絵を描きました。絵を描いても緊張感や焦りにリアリティが出なければ、リアルな推進力が生まれにくくなります。そこでより緊張感や焦りのエネルギーを高める為の方法が現在の絵を描くことです。
・絵の描き方自体は目標の絵を描く方法と同じです。大きな紙の真ん中にまず、「何を」「何について」(what)を書き、丸か四角で囲みます。そこから放射状に線を引っ張り、「どこで」(where)、「いつ頃」(when)、「だれが」「誰を」(who)、「何の目的で」(why)、「どの程度」「どのレベルで」(how much)、「どのように」「どうやって」(how)、「どうする」「どうなる」(do)をそれぞれ書き、同様に丸か四角で囲みます。
・将来や未来の絵はある程度思いつくままに描けなくも無いですが、現在の絵はどの時点を切り取るのか、どの状態を捉えるのか、かえって難しかったりします。当たり前のこと過ぎて、客観的にどう表現していいのかも戸惑います。あるいはふがいない現在の状態を認めること自体に、心理的な葛藤も生じるかもわかりません。現在の絵、現状の絵というのは当たり前すぎて、意識することすらなかったことですが、実は未来や将来の絵を描くことよりもはるかに難しいかもわかりません。
・そこで決定的なスキルがあります。目標設定した未来、将来の絵をイメージし、その地点へ意識をワープさせ、そこから現在の状態を客観的に眺めるという方法です。そうすると意識をワープさせた未来の到達地点から、引き算的に今の状態を見ることになるかと思います。その引き算的な視点から今の状態を客観的に表現する。すると、あれも足りない、これもまだこんなに残っている、これじゃとても間に合わない、到達地点とのギャップに愕然とし、呆然自失し、ひざから崩れ落ちる。背骨に緊張感と変な脂汗が染み出し、腹の底から言い知れようの無い恐怖が沸き起こってきて、ヤバイ、間に合わない!!! というような感じを体験出来れば、限りなく成功に近いのではないでしょうか。脳がかなりリアルに勘違いを起こしてくれています。そのズレの修正に向けてまっしぐらにまい進してくれれば、しめたものです。
・学生時代のテスト前、前日の徹夜のあの感じです。( 学生時代のあの感じを放棄していた人は失礼しました。) もしくは、念願の自分のお店を開店する前の、準備期間からオープン数日前のあの感じです。「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」「アカン! ヤバイ! 間に合えへん!!」。とてつもない焦燥感にあおられるものの、つらく苦しいストレスではなかったはずです。何かに向かって一つ一つ潰していくごとに、アドレナリンが分泌されるような快感を伴っていたはずです。この快感体験は脳の大好物です。この快感とリンクした体験を繰り返そうとします。一つ出店すると二店舗目、三店舗目を出店したくなるのも、この作用の働きも関係しています。であるならば、目標や到達地点に向かって具体的なプロセスを、「ヤバイ!」と焦燥感にあおられながら一つ一つ潰してゆき、アドレナリンが分泌されれば、そこにたどり着くまで脳や潜在意識が推進力を生み出しながら繰り返してゆきます。これが「やる気」とか「モチベーション」のメカニズムです。ただし、脳がリアルにアドレナリンを分泌してくれるのは、自分が本当にそうしたい、そうなりたいと思っていることだけです。そういった意味でhave to思考では難しく、want to思考でなければたどり着きにくいわけです。
・しかしその変な緊張感もそうは続かないでしょうから、目標の絵と、そして現在の絵を並べて定期的に見るようにするか、それも忘れてしまうので、常に見えるところに貼っておくわけです。絵を見るたびに「ヤバイ」という感情が沸き起こり、脳が勘違いを起こすという状況を意図的に作り出すわけです。
目標明確化の最速ルール 19、到達地点目線から現在の絵を描き、「ヤバイ!!」と焦燥感と緊張感を生み出す。
参照 : 性格のタイプ・増補改訂版、アファメーション、NLPタイムラインセラピー、NLPコーチング、思考のすごい力、カレーライスの方程式、1日48時間にして夢をかなえる、戦略の見える化、脳が冴える15の習慣