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【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

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戦略思考の心・技・体(17) 技「仮説検証・分解技法」(8)~ロジックツリー(体系分類・次元階層化)(3)

< 精度を上げる上級ポイント >

8、違和感を研ぎ澄ます

9、思い込みで分解していることに気付く

10、知識量、情報量で精度は変わる

11、概念とその単語を知らないと浅い階層が進まない

12、表現に丁寧になる

違和感を研ぎ澄まし、思い込みで分解していることに気付く

 ツリー分解の1段階目から思い込みでスタートしてしまいがちである。なんでそうなるのかの理論の筋道が表に出てこないことが多い。分解をすすめても項目と項目の間が省かれている。それは1段階省かれているだけでなく、34段階省かれていることが多い。例えば「病気だから太ってしまった」この表現。言った人は違和感に気付けない。本人の頭の中ではその理由やプロセスの段階は踏んでいるので。しかしこの表現を見た人は「なんで?」と思う。なぜなのかを問うとその人は、「だって病気になって入院したり寝込んだりすると動かなくなるから、カロリー消費が悪くなって太ることもあるじゃないですか」と。ツリーでこの「病気だから太ってしまった」を描くと、「病気」→「太った」となる。こう描いてあると人によって解釈が異なり、せっかくツリー分解してもその後の具体施策の効果性は疑わしい。この場合なら「病気」→「入院」→「寝ていて動かない」→「カロリー消費量の減少」→「太った」と描く必要があるということ。WHY型は隣接する項目どうしをつないで「○○だから○○だ」「○○なので○○だ」の言葉の意味がつながらなければ、間が抜けていることになる。

 間の抜けたツリーを作るということは間の抜けた思考が習慣化しており、間の抜けた論理構造に違和感を感じられなくなっているということ。であれば、何か問題発生した際の原因究明や分解分析が当然に粗いということであり、抜け落ちの多い解釈や理解をすることになり、対応策の発想も粗く抜け落ちる。効果性の疑わしい対応策を費やすことになり、原因の真相は何も変わらない。目先の一時的な変化は見られても、結局中長期では何も改善できず、未来永劫何も変えられない。この状態を「環境変化への対応ができない」と言い、「変化への対応が鈍いものから順に淘汰される」という法則に呑み込まれることになる。

 粗く抜け落ちた思考をしてしまい、緻密できめの細かい論理構成ができない。点と点を結ぶ途中の連結点が少なく、結ぶ線の本数が少ない。常識や思い込みなど思考停止ワードや社会通念を、批判無く受け入れてしまっている。この状態が習慣化してしまっていることを「WHYを問いかけなくなった」と言うが、習慣改善の意識掛けとして「なぜそうなのか?を意識的に問いかける」ようにする。トヨタの「なぜなぜ5回」がとても奥の深い、有効な方法であるということが改めて実感できるといい。この習慣がトヨタを世界一に導いたと言っても過言ではなく、その実績がその習慣の効果性を物語っている。

ツリー記入上の表現を徹底的に考える

 例えば例題として、「最近太ってきたので原因を追究し、何か対策を検討したい。より効率的な方法を実行したいので、まずその太った原因をツリーで分解する」とした場合、スタートの□の中に入れる表現はどう記入するか?というようなことを丁寧に考えるということ。「太った」と「太っている」ならどちらを記入するだろう?もしこのレベルで「少々どっちでも一緒じゃないの?」となる人はロジカルシンキングに向いていない。ツリーの習得はかなり難しい。「太っている」は静的な状態を表しているし、「太った」は2時点間の変化比較を表している。もともと太い人がさらに「太った」場合もあれば、細い人が「太った」かもしれない。この事例の場合は、太い人だろうが、細い人だろうがなにせ「太った」のだ。つまり「変化した原因」を追及しなければならない。そこを意識しないともともと太い人の「太っている原因」も含めて追及してしまう。

 このスタート時点での根本的な区別をしなければ両方が混在した分解になり、論点違いな余分な作業ボリュームが増え、しっくりこない分解が進み、結局具体解決策が遠くなる。例えば「太った」の1次分解で「病気」「栄養」「遺伝」となってしまう。「遺伝」は「太っている」原因の1つであって「2時点間の変化」に対する原因としては明らかに関係ない。言葉じりにとらわれる人は思うかもしれない、「いやいや遺伝によって変化することはあるじゃないか」と。まあ確かに「カロリー吸収効率を上げる遺伝子が急に覚醒した」ということが絶対に起きない保証はない。仮にもしそうなら「私が自分で出来る有効な対策」はない。もともとの目的に沿わない内容に時間を費やすことになる。遺伝子の突発覚醒の意味なら、それはむしろ「病気」の下位項目の1つの枝になるだろう。結局この場合のスタートの□の中の表現は「太ったという2時点間の変化の原因」というのが理想だろう。この区別がついているなら、実際の作業上は「太った原因」ぐらいになるだろう。そして1次分解の枝は①「体内での変化要因」と②「体外からの変化要因」となる。「病気」や「遺伝子」は①の2次分解以降の枝分かれになるだろうし、「栄養」は②の分解枝だろう。

 さらに言うと、「対外からの変化要因」の下に続くどこかで、①「食生活が変化した」と②「よく食べるようになった」とのどちらかの表現を選ぶなら、どちらを選ぶだろう?①か②のどちらか一つなら、②が正解。①にしてしまうとそれ以下の分解の方向性が違う方向に膨らんでしまいかねない。①か②では表現の仕方でその後の意味が変わってしまうということを意識する必要がある。厳密に言うならば、①の下位分解枝として②が成り立つので、そもそも次元階層が違う、ということ。②の表現をさらに意味のずれを防ごうと思えば、「カロリー摂取量が増えた」と表現できるようになりたい。言葉、表現が表す意味を吟味し、立ち止まって考え抜く、こだわり抜くという意識があるか。そこにこだわり抜き、考え抜かなければ、どれだけ時間を費やそうが効果性の高い具体施策には落ちにくい。自分で思っていること、考えていることを過不足なく表現することこそがまずはカギになる。うちの事業にとって最終的に、ホームページがそうなっていなければならない。

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