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戦略思考の心・技・体(20) 体「根源的学習習慣・結局は読み書き」(5)~メモ書き技術(2)

メモ書き出し方

 では実際どう書くのか。まずは赤羽先生の書籍に習うのがいいだろう。A4の紙の左上にテーマをまず書き、下線を引く。右上に日付。あとは1枚に46行ほど書き出していく。その1行は、単語だけとか、1フレーズではなくて、2030字程の文章を書くということ。単語やフレーズだけだと後で見た時に意味不明になるので、主語、動詞、述語のある1センテンス程度は言葉があったほうがいい。箇条書きがちょうどこれぐらい。それより長くなっても、その中に23文含んでくるだろうから、それなら分けてそれぞれを箇条書きにする。そのほうが後々活用しやすい。単語やキーワード、フレーズばかりが浮かんでくるなら、それらは一つ一つ自体がテーマになるはずなので、まずはそのテーマ自体を書き出していく。その書き出したテーマ一つ一つに、裏紙1枚ずつ割り当て、テーマごとに書き出していく。

 なのでかなりの枚数の裏紙を使うことになる。未使用コピー用紙だと11枚割り当てるのに一瞬躊躇する。もったいないと思って、1枚の紙に23テーマまとめて書いてしまおうと思ってしまう。別にダメではないが、後々の活用上、不便が生じる。躊躇なく書いて書いて書きまくれる「不要な」裏紙がいいのだ。

 書くタイミングはやはり朝の起き抜けがいいだろう。この点も特にいつでもいいっちゃいつでもいいだろうが、脳のメカニズム的にどうせならそのタイミングで習慣化してしまえるに越したことはない。寝る前にまず1枚にテーマ自体を書き出す。そのテーマ一つ一つを裏紙1枚に割り振り左上に書いて下線を引いて寝る。そして起き抜けに、思い浮かんだテーマから順不同に書き切る。目安として110分以内、トータルでも毎朝30分程度のトレーニング。早朝ランニングをしている人はそのあとで。赤羽先生の本では11分以内、毎日10枚、110分のスピード感を重視しておられるが、最初のうちはそのことはあまり気にしないほうがいいかもしれない。スピードの重要性は脳機能のさらに次元の高いレベルで、「判断力」や「解決処理スピード、キャパシティ(容量)」などの点で非常にキーポイントになるが、今回の主要な論点は「吐き出すことの習慣化」に、まずはウェイトを置いているので、「○○しなければならない」「~でなければならない」的な強迫課題や義務感を脳が感じてしまわないことを重視したい。書き出すことに「快感」を感じるようになれることがまず先決だ。習慣として根付いてから、スピード、内容、構成、表現などの点に意識上昇していく手順だ。習慣になってしまえば自ずと、もっと早く書きたくなるし、もっと内容を濃くしたくなるし、もっと表現を研ぎ澄ましたくなる。脳の自然な衝動で意識上昇していくのが理想だ。

 書き出した裏紙は放置するのではなく、類似のテーマごと、同一のカテゴリーごとにクリアホルダーを準備し、そこにまとめる。そのホルダーがいっぱいになり、その中でさらに細かく別のテーマグループやサブカテゴリーである程度枚数がたまって来たら、ホルダーを分ける。

 その他重要なことは、メモ書きの書き方の紙面上の体裁、フォーマットを一定にするということ。紙面の体裁をあれこれと工夫し、メモごとにばらばらだと後々の活用上不都合が生じる。そして脳が無意識に体裁の工夫に意識をとられ、きれいに書くことに意識ウェイトが偏っていくと、メモ書き自体が違う趣旨になってしまいかねない。書き方は一定にし、「吐き出す」ことに集中出来るのがいい。

 いきなりビジネス面での解決課題うんぬんと言ってふん詰まるなら、感情の濃いことや人の悪口是々非々のほうが順調に書けるのでは。脳がすっきり整理される感じを体感することが何よりも重要だ。脳の報酬系を刺激し、メモ書きという行為自体とリンクさせられると楽しく続けられる。

表現を意識する、探す

 書き出すこと自体に慣れてきて習慣づいたら、表現を意識できると、ロジツリ、企画書、テキスト、スピーチ・・・実用面での高質化に非常に役立つ。早くそうなりたい。しかしいきなりその目的にかかろうとしても、やはり難しいと思う。無意識で表現を選び、きれいにかっこよく書くことに意識が持っていかれる。ベースはあくまでも「吐き出す」こと。その土台の上に立って表現力を培うというのが大前提の構図。自分自身の「腹の一番底、魂の一番奥。ここが言葉になるか」がポイント。でなければ、内容自体が浅く表面的になってしまう。表現の体裁はとれていても、内容の上滑り感から脱出できない。まずしばらくは、ただただ書き出す。がむしゃらに何百枚も書き出す。書いて書いていくうちに、自身でも認識できていない潜在意識のより深い部分が言葉になって出てくる。より深掘りされた全体包括的な意識が、脳の中の雑多な断片のすべての知識、思い、意識を統括的に整理していってくれる。これがブレークスルーの始まりだ。個人差は当然に大きいが、何もかもが革命的に変わり始める。

 実際には何十枚、数枚も書き出せない。頭にいっぱい色々詰まっていると思っていても、そんな程度だ。たくさん書けるかどうかは、ボキャブラリーや概念をよく知っているかの豊富さや、概念の階層の段階数をよく理解しているかなどに影響される。ボキャブラリーの豊富さも重要だが、表現力に圧倒的な違いをもたらし、説得力や深み、実現達成をもたらすのは特に、概念の多層化の度合い。階層の段階数を多く分かっており、複層化を意識した表現、言説は非常に説得力を持つ。概念の図解化にもスムーズにつなげられる。IT、パソコンの世界も元々はこの多重複層の概念から成り立っている。ホームページの構成もそうやって作っていく。階層化を形にしたものだ。この概念の階層化の力がつけば、ホームページの企画書、設計書なども自分で完成させられる。それをデザイナーに発注すれば相当にコストは抑えられる。ホームページ業者でも、あまり概念の複層化まで込み入って意識している人は大企業専門の人たちだろう。本来は企画、構成などは外注に任せることではない。ユーザビリティ完成度の高いデザイン(アートとは別の概念)を作れるデザイナーさんをどう見つけるかが課題。自分のやっている事業の何もかもの意図する真意を、余すことなく徹底的に表現でき、構成としてわかりやすく、探しやすく、迷わせず、理解しやすく瞬解させ、その魅力、特徴、他との違い、ベネフィット・・・が瞬時に伝わる。0.8秒の壁を突破する。1つのゴールとして目指したいところだ。まずはがむしゃらなメモを書き溜める。

 いきなり概念の複層化を意識してメモを書くわけでもない。メモ書きを続けていく中で無意識に必要性に迫られ、今までよりレベルの高い難しめの本を読むようになったり、経済新聞、ビジネス雑誌、評論家、学者のネットコラム、ブログ・・・あらゆる言説に触れて「表現との出会い」を体験していく。書きたいのにいまいちどう表現していいかわからず、うまく書けないという歯がゆい思いをたくさん蓄積していくと、表現できるようになりたい、語れるようになりたい、という強い欲求が育まれ、「うまい!」「素晴らしい!」という表現を貪るようになっていく。そうやって表現力を培っていく。

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