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【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

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戦略思考の心・技・体(23) 技「意思決定・収束技法」(11)~評価基準(1)

儲かるか ❷続くか ❸やりたいか

 HOW型の評価基準を設定する際の3つの指標 「❶儲かるか ❷続くか ❸やりたいか」。すべてを満たしたいことを前提とするが、小規模経営者にはすべてを満たす位置をとれる優位性はない。この3つの指標それぞれがトレードオフの関係、あちらを立てればこちらが立たずのような関係でもある。限られた資源の中で、この3つの中のどの部分をさらに優先するのか、そこから意思決定する必要がある。❶を優先する評価基準に基づく意思決定は、「競争優位性を重視するポジショニング戦略」、❷を優先する評価基準に基づく意思決定は、「持続可能性を重視するサスティナビリティ戦略」、❸を優先する意思決定を「事業家ライフプランニング」と言う。 

 この3つの意思決定指標はセグメンテーションのテキストにも解説されていた。セグメントを選択する際の指標として。市場全体をセグメントに括る、もしくは切り、そのセグメントのどれを選択するのか?その際の意思決定の指標として挙げられていた。「問題解決」という括りの広い、抽象度の高くなったテーマの場合でも同様である。HOW型のツリーによる網羅的拡散した選択肢のの中で何を選ぶのか?選択肢を評価するその「評価基準を設定」する際の指標としても、この3つに基く。「この3点のうち私は何を優先させるのか?」すべての場合にこの命題が当てはまる。「意思決定」とは、「この3つに優先順位をつける作業」ということもできる。

 ビジネスの世界だから当然に順位付けも ❶ → ❷ → ❸ ということになるかと思えば、そうではない。忠実に ❶ → ❷ → ❸ この順位付けできるのは、意思決定を個人に委ねない大企業レベルである。属人的ではなく、組織自体が機械的に意思決定を行うことを仕組み化しなければ、 ❶ → ❷ → ❸ この順位付けは徹底できない。小規模になればなるほど、 ❸ → ❶ → ❷ となる。そんなつもりはないのにそうなっている。今のこの職種、職業を選ぶ際に、❶や❷を意識して選んだのだろうか?職業選択という、その一番初めの大きな枠の段階で❸が優先順位の筆頭になってしまっているということ。まだ右も左も何もわからない段階で。

 キース会の基本方針は実は、 「❷ → ❸ → ❶」 である。そしてそれぞれのウエイト比率は 「❷55 : ❸40 : ❶5」ぐらいの偏りである。成長曲線のグラフの意味するところにリンクする。「どうりで儲かりそうにないことばかり教えると思った」という感想は少し早計だ。小規模事業の優先順位は先ほどの話で、潜在的に無意識に ❸ → ❶ → ❷ となっている。そのウエイト比率は実に ❸70 : ❶30 : ❷0 である。いやいや、そこまでこの職業に固執してやりたいわけではない、と思うだろう。それならばもっと儲かる職業、職種に変わればいい。しかしそれも無理だろう。なぜ無理かと言えば、やりたいやりたくないではなく、資本制約に縛られてその状況から、その大きな枠から出られない。しかし、その大きなスタートの枠は何もわからない段階に、やりたいやりたくないという基準で自ら選択してしまっているのである。儲かることなら、実は探せばまあまあ見つかる。しかしそこは人があまりやりたがらないところにあったりする。アンダーグラウンドという意味ではなく、いっちょ噛みフロー系の物販業などでも、まあまあ金になることはけっこうある。ドル相場のFXのデイトレードなどは、損しないルールさえわかって忠実に実行できれば、純粋に「金を稼ぐ」ことにおいては知る範囲、一番効率がいいのではないか。じゃあそれらをやれるのだろうか?職業にしてしまうことはできないはずだ。❶を優先順位の筆頭に置いていると思っているのは、思い込みにすぎない。結局はやりたいやりたくない、好き嫌いの「やりたくない」「嫌い」の消去法で今の職業、今の人生がある。その構図を端的に表すと、優先順位「 ❸ → ❶ → ❷ 」、意識ウエイト比率「 ❸70 : ❶30 : ❷0 」となる。この中で❸の部分の70%はほぼ無意識になっており、❶の部分の30%に顕在意識のすべてが集中している状態だということ。だから、調子のいい時もある。時代背景や環境要因によっては波に乗れる時はある。しかし30年スパンで見た時の結末は、「昔は良かった」「こんなはずじゃあなかった」「もうどうしたらええかわからへん」という、店主、零細社長のため息に集約される。自分で繁盛させたと思っていたのに、すべて外部要因、時代や環境によるものだったからだ。であれば、時代が変われば当然終わる。あらゆる制約条件にがんじがらめの状態で❶にエネルギーのすべてを注いでも、限界がある。労の割には益は少ない。だからこそ、構図そのものを変えるのである。業種や職業、場所や人など物理的な構図は変えられない。変えるためにはお金がかかる。そうではなくて、意思決定の「優先順位」とそして「意識のウエイト比率」を変えるのである。

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