戦略思考の心・技・体(26) 技「意思決定・収束技法」(14)~経営者に3つの人格
経営者に3つの人格
経営者には3つの人格が同居していてると。「起業家」、「管理者」、「職人」と。「起業家」は独立起業を促した張本人。チャレンジ精神旺盛で新たな開拓、開発に向けてのフロンティア精神の先導役。「管理者」はつぶれない為の守護神。冷徹に現実的、厳格に「起業家」と「職人」を管理する。怠惰は許さないし、希望観測や甘い見積りなどはもってのほか。「職人」はその商品・サービスに対するこだわり。とにかくいいものを作りたい、人に喜んでもらえるのが幸せ。「起業家」が突飛な発想したって、そんなこと簡単に出来ゃしねぇし、「管理者」の口うるささには辟易する、ほっとけよ ! こっちのペースでやらせろ !。この3つの人格が歩調を合わせ、バランスが取れている経営者はほぼいない。このうちのどれかが常に主導権を取っていて、他を抑えようとするし、そしてその主導権は常に状況や案件ごとに入れ替わり立ち代る。今の私の主導権バランスはどうなっているのだろうか?この案件に対しての主導権バランスはどうなっているのだろうか?
原則論的に、「職人」が常に主導権の人はそもそもマネジメントに向いていない。起業するのは違うかもしれないし、ましてや人を雇うのはまずい。「管理者」は既存の出来上がった組織、枠の中でこそ必要不可欠な人格だ。これが無ければ持続は難しい。しかし二律背反的に、伸びることもさせない。今この勉強会、テキストはそもそも論として、独立起業家の方が対象だ。そもそもが守りの人たちではない。そもそも今の私たちの力量では無理なことに、リスクを負って立ったのだ。当面しばらく、一定の型枠を創り上げるまでは、一点突破しか選択肢はない、という認識はございますか?そうである以上、私という経営者を先導していくのは、まずは「起業家」が主導権を取り、先導するのが基本形だ。「職人」を卒業して、「管理者」を味方につけて守ってもらう。この形でバランスの調和が取れたとき、私にはぶれがなく推進力が生まれる。