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戦略思考の心・技・体(28) 技「意思決定・収束技法」(16)~スケールメリット

規模の経済性(スケールメリット)

 小規模事業経営者の方だと、「そりゃあ大きくなるには越したことはないけれど、そう無理して手を広げることには懐疑的だ。身の丈に応じた商いが大事。」というような考え方が未だにベースにはあるように感じる。手広くやろうとして失敗した事例からの教訓として語り継がれている感覚だろう。失敗した背景には、無理したり、それこそ身の丈を越えた、分不相応なアクションを取ったことに対する代償のように語られる。日本古来のつつましやかさを美徳とする文化背景がそこにはある。代々の家業としての商いのところは特にそういう気風は強い。理屈と言うよりは習慣として根付いてしまっている。その精神はもちろん大事なことだが、このことが、なんらのアクションを取ろうとしない言い訳になっている部分もある。何もしなければ、変化対応してゆかなければ、当然に潰れてしまう。本末転倒してしまっては元も子もない。無理をしてはいけないが、努力して勉強して頑張って、大きくしていかなければいけないということが、大前提にはあるに決まっている。実質的に「現状維持」などという言葉は物理的には不可能だということを、もっと深刻にとらえる必要はあるだろう。

 基本、起業家という人種は野心が強い。金も権力も手に入れたいに決まっている。「財」基準の「拡大」を当然に目指す。しかし、人によって想定する「財」の金額レベル、「拡大」の規模のレベルはまちまちで、小規模事業の方だと、数千万円の借り入れはおろか、必要性以上の設備投資も、先を見越した人員確保もするつもりはない、というふう決めてしまっている人もいる。それについては良いも悪いもない。ご本人の意思決定だ。なのに財を獲得したい、豊かになるつもりだと言う。しかし、計画的な先行投資に対する意識の薄さ、それが何を意味するのか、長期スパンで見た時にどういう結果をもたらすのか、わかってそう決めている人はいない。そのことについて簡単な比較シミュレーションをしてみよう。

 小さな雪だるまの球を56回転がして新たにくっついた雪の総量と、何十倍も大きな雪の球を半回転させてくっついた雪の総量を比べれば、大きな球にくっついた量の方が圧倒的に多いだろう。スケールメリットとはこういうこと。財務指標では「総資本回転率」とか「総資本利益率(ROA)」がそれを表す。最初に掛けた元手に対して、いくら売り上げたのか、いくらの利益を上げたのか、と見ていく。最初に掛けた元手とは資本金のこと。自己資本を元手にいくら融資を引っ張れるか、という問題。「大きな借金でリスクを負いたくはない」と言う。リスクを負うのは借りる側ではない。貸す側に決まっている。そもそも大きな借金は借りる資格のある人しか借りられない。「資格」って何?貸す側から見て、大丈夫だ、と思える人だ。経営者の人となりを見られる。事業アイデアも見られ、お金にきちんとした人かどうかを見られ、人柄も見られている。それらを総称的に判断する基準として、長期の事業計画表の売上推移の整合性がきっちり理詰めで語れれば、大概大丈夫だ。それがきっちり作れて、語れるか、という問題。色々たくさん知ってなければならないし、「売り上げの型」を持っていなければならないし。それが出来るということは、頑張って努力して、そしてたくさん勉強した人だ。これをはしょってしまっている人にとって、大きな借金は「リスク」となる。これらが出来上がっている人にとっては融資は「リスク」ではない。ビジネス拡大のチャンスであり、「投資」である。シミュレーションで見た、30年後の莫大な結果の開きの根源を突き詰めると、このあたりの意識、捉え方、考え方の時点で決着が付いてしまっている、ということ。

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