WEB戦略構築(24) マーケティングライティング(8) ~書く手順(1)_1、企画構想(1)
書く手順(1)
通常ものを書くときに一般的な順序で言えば、1、企画、2、執筆、3、編集、4、校正と段階を踏む。いきなり書き始めるのではなく、構想をよく練ってしっかり準備してから書き始める。この最初の「1、企画」の段階で時間全体の9割と言われるぐらいだ。実際に書く「2、執筆」作業はしっかりした準備ができていれば一気に書き上がる。この段階は細かなことは気にせずに、まずは粗い原文としてノンストップで書き上げる。そして書き上がった原文を「3、編集」作業として、見やすく、読みやすく、足したり削ったり、書き換えたり、図や写真を入れたりし、この段階で初めて読み物として体を成す。そして最終的に「4、校正」作業として、字の間違い、表現の間違い、不適切な箇所などをチェック、修正する。それぞれのプロセスは全く別の作業だ。商業的な文章や出版物ならすべて、専門の別の人が担当する。一般的にものを書くとはこういうことだ。この大掛かりな一連の作業をすべて自分一人でやらざるを得ない。すると各プロセスをすっ飛ばして、いきなり完成品を書こうとしてしまう。「上手に書けない」と悩む。当たり前ではないだろうか。いきなり完成文章に向かってすらすらと書けるのは、プロの熟練のレベルだ。「上手に書けない」という悩みは正しくない。書くとはどういうことかを知らないという問題だ。
企画構想の段階でああでもない、こうでもないと考えづける、疑問に感じたことは調べる、本を探す、データや記事を探す・・・こういうことに時間を費やしていると、頭の中に勝手にある程度文章が出来上がっているはずだ。まずは、こういうプロセスがあるんだということと、それぞれのプロセスは基本別の作業であるということの認識を持つというだけでも、その人のライティング人生に劇的な変化をもたらす可能性はある。原文を執筆する段階では何も気にせず、頭からあふれ出てくるままに、自動書記のように一心不乱に書ききればいい。一度書ききった原文を自分の中で別人格になって、編集や校正作業に取り組めばいいのだ。大切なポイントはまず一度、頭の中の文章を紙の上かパソコンの中に出し切ることだ。脳の見える化。「ものを書く」とは、書くことではなく、すべて作業だ。段取りを組んでこなす「仕事」だ。
それぞれのプロセスのポイントを見ていこう。
1、企画構想(1)
文脈の構築、ストーリー構成をこの段階で創る。それに基づいて情報収集、資料準備する。文脈構築、ストーリー構成は論点を分解して、ポイントごとに短く区切って詰めていく。一番外枠の基本文脈はいつも同じだ。「だれに何を伝えるのか」。これを「だれに」と「何を」を切り離して、それぞれについて定義する。この「だれに」と「何を」を今まで出てきた表現で言うと、「ターゲット」と「タグライン」ということになる。キース会で唱え続けている表現の「客はだれ?」と「うちは何屋?」にあたる。まずは一番大きな外側の枠組みとして、文脈の「骨」にあたる。これに「骨の継ぎ足し」と「肉付け」をしていく。
「骨の継ぎ足し」と「肉付け」の内容ポイントとを大まかに箇条書きでまとめると、
①自分のスタンス
②何が問題なのか
③なぜそうなっているのか
④どうすればいいのか
⑤うちができること
⑥何がどう変わるのか
⑦で、・・・
ぐらいだろうか。それぞれについて見ていく。