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ブルーオーシャン戦略(4) どういう視点で見る? : 検討の切り口 ~7つの見方、考え方

「常識を大きく覆す」というスタンスで

 ブルーオーシャンの根本は、新たなマーケットの開拓、新たなニーズに反応する新たな顧客層の発見なので、今まで見たり聞いたりしたことのない打ち出し方になる。初めて情報に触れた人が「へーっ、なるほど」となりたい。競争の軸、ゲームのフィールド、枠組み自体を別のものに設定していきたい。まず自身が既成概念、常識頭をいったん脇に置く必要がある。そういう見方、考え方の一つの切り口として、7つほどの視点が挙げられている。

1、代替財、代替産業に着目

 まずは「代用品」に置き換えられないか?代用品とは果たす機能が同じで形が違うもの。眼鏡とコンタクト、マックと吉野家のような関係のもの。代替財、代替産業まで意識を拡大できるか?「代替財」とは形も表面的な機能も異なるが、結局果たしたい目的は同じになるもの。スタバに対してはホテルラウンジ、ネカフェ、ジム、図書館、書店カフェ、レストルーム・パウダールームとか、コーヒーマシーン。マック、吉野に対しては、ドトール、コンビニ、弁当屋、スーパー、出前とか、時間調整ならスマホ。眼鏡、コンタクトに対しては、視力矯正以外の機能拡大の視点で、目薬、化粧品、ヘアサロン、アパレル、マッサージ()とか、視力・脳波トレーニング。

2、同業内の違層の戦略グループに着目

 商材そのものの大きな転換にはコストが莫大、世の中がついてこれないリスクなど制約があれば、その範囲内での売り方や打ち出し方の発想を変えてみる。「違層の戦略グループ」とは自動車なら高級外車グループと軽自動車グーループのような関係。そのグループ内で同じ対象者に同じようなものを同じような売り方をしているレッドオーシャン状態から抜け出したい。業界常識の成功パターンが前提になっている頭自体を取り換える。

3、買い手側のカテゴリー別に着目

 買い手側の分類をBtoBとかBtoCとか、業者か個人か程度の大まかさではなく、そのBCの中にも「購買担当者」、「実際の利用者」、「購買意思決定者および影響者」に分けて考えてみる。既存の顧客のニーズに対しても、従来の習慣的でそういうもんだと思い込んでいるだけで、買い手側の中でも立場の違いによっては、ニーズや打ち出しの方法は全く異なる。ほぼ別のマーケットだと捉えてもいいぐらい。

4、補完財、補填サービスに着目

 その商品・サービスを利用する前後左右を見回してみる。「利用前」に感じる不便、面倒さ、ひと手間、これがあったらあれがあったら、うーん惜しいよね。「利用中」に感じる不便、面倒さ、ひと手間、これがあったらあれがあったら、うーん惜しいよね。「利用後」に感じる不便、面倒さ、ひと手間、これがあったらあれがあったら、うーん惜しいよね。サーチ、アクセス、二度手間、並行補完、補強増強、アフターケア、再利用、継続負担。うちがカバーできることは?その部分だけでも成り立つことがあるのでは?ベンチャーにとって一番初めに取り掛かるのに入りやすいところ。

5、機能面、感性面の視点を変える

 感性重視の産業、会社は、機能向上につながらないさらなる感性面を盛り込み、ブランドアップ、価格アップに走りがち。機能重視の産業、会社は、感性無視のさらなる余分な機能を盛り込み、競争し、価格維持にやっきになりがち。双方、逆の面を少し取り入れるだけでも、違った印象に映るはずなのに。その産業内、社内において、既定の習慣に押される、逆の面に対する理解、造詣、風土、環境が欠落している、などの要因でこんなシンプルなことさえ取り入れられにくい。

6、他業界の成功事例に着目

 2で同業内の違うグループに目を向けたが、もっとさらに外側へ意識を拡大し、他業種、他産業まで目を向けてみる。というより、成功事例全般、さらにそれをパターン化、法則化した「戦略パターン」そのものをあてはめて応用できないかと考えてみる。アメリカのIT業界で確立されていったgoogleに代表される「プラットフォーム戦略」、大手本屋さん、図書館の検索システムを導入し、拡大したamazon。世界中のすべての出版物を掲載し「ロングテール」を確立し、あとはその構築されたシステムに、今度は世界中のすべてのジャンルのすべての商品を掲載するだけ。「プラットフォームを構築し、ロングテールをカバーできるシステム」屋さんだ。同様のモデルを日本に導入したソフトバンク、楽天。「IT空間上にBtoCの仲介モデル」を確立したリクルート。同様のモデルをあらゆる業種、業界に応用し、独立ベンチャーを自社資源内から意図的に発生させている。事例、サンプルの根本発想自体はいずれもシンプルだ。ゼロからイノベーションというような大げさでなくとも、既存アイデアの組み合わせ、応用パズルの発想だ。そこに目を向け、踏み込もうとする勇気と、実地に応用させていこうとする実行力の問題に帰結する。

7、将来変化を予測

 で、将来的にどうなっていくのか?中期スパン、長期スパン、超長期スパンで考えてみる。単なる世の中の変化予測の話ではなく、そうなっていって、人々の意識はどう変化していき、何が必要になり、何を求めるようになるのか?そこに向けた商品・サービス開発も必要ではあるが、そもそも自社産業、業界全体に及ぼす影響はどうなのか?グローバル社会において日本国内範囲の目線だけでなく、国際社会での変遷、影響度合いは?国際社会、国際経済、国際政治、国際金融。無関心、無頓着でもいられないはずだ。参考までに、マクロ環境の分析手法を「PEST分析」とかいう。Ppolitics、政治、Eeconomy、経済、Ssociety、社会、Ttechnology、技術。こんな切り口で意識、造詣を広げてみる。

 このプロセスでいろいろ考えながら、非顧客層のニーズ、訴求論点とリンクさせたり、戦略キャンバス上の競争要因の項目を追加したり、修正したりしてみる、ということ。まあ要は、広く大きく視野を広げて、いろいろあれこれ大きく、前後左右、裏表、考えてみよう。

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