ブルーオーシャン戦略(5) どこが不備? : 「効用マップ」 ~プロセス X 感じることの表
ビジネスモデルを整えよう。不便はないか?
前段で、常識を覆すために、大まかに7つほどの切り口、考え方の視点が紹介され、その中の4つ目に補完や補てんを探す内容があった。提供する商品・サービスのその前後左右、上下、周辺に不備はないか、目を向けてみよう、という意識啓発。その考え方に近く、重なる部分があるが、それをより体系立てて一覧表のようにしてチェックし、不備や漏れ、もう少し手間暇を費やせば格段に利便性が良くなるようなボトルネックを探していく。この一覧表を「効用マップ」と呼ぶ。
商品・サービスのクオリティは完成度高いのに、売り方であったり、アフターケアであったり、認知マーケティング、その他もろもろ、ビジネスモデル全体が不完全、整合性が取れていないゆえに、気づかない中に機会損失しているケースはよくある。そんなことを防ぎたい。
まず2つの軸を立ててくれている。1つは「効用を高める項目」、客が感じること。もう1つは「購買・利用上に体験していくステージ」、認知から廃棄までの客が利用するプロセス全般。
「効用を高める項目」は6つほど挙げられている。
1、客の生産性が高まるか?・・・「生産性」を分解して、「時間ラコストラエネルギー」とすると、その商品・サービスを利用して客自身の、「時間」か「コスト」か「エネルギー」のいずれかが省力化できたか?ということ。あるいは逆に、同じ「時間」・「コスト」・「エネルギー」で生産性、効果、利便性は上がったか?ということを再検証してみる。
2、品質、信頼性を損なっていないか?・・・対象客から見て品質や信頼性を損なうような、障害や阻害要因になっているものは何かあるか?
3、利便性、シンプルさは高まるか?・・・対象客から見て利便性やシンプルさをより高く感じてもらうために、障害や阻害要因になっているものは何かあるか?
4、安全性、リスクを損なっていないか?・・・対象客から見て安全性やリスクを損なうような、障害や阻害要因になっているものは何かあるか?
5、楽しさ、好イメージは高まるか?・・・対象客から見て楽しさや好イメージをより高く感じてもらうために、障害や阻害要因になっているものは何かあるか?
6、環境、社会イメージを損なっていないか?・・・対象客から見て環境や社会イメージを損なうような、障害や阻害要因になっているものは何かあるか?
もう1つの軸「購買・利用上に体験していくステージ」は、顧客マインドフローの拡張版だ。
1、認知 2、情報収集 3、比較・検討 4、購買手続き・予約 5、配達納品・アクセス
6、使用準備・セッティング・事前準備・心構え 7、使用・利用・施術・体験 8、併用・効果アップ・オプション
9、保守管理・アフターケア・ホームケア 10、継続購買利用・再来店 11、廃棄・最終完了
これら2つの軸を縦軸、横軸に取って、「プロセスラ感じること」の表にする。
これらそれぞのマス目の中を一つずつ丁寧にじっくり検証していく。マス目を検証するとアイデアが色々浮かんでくるが、どうするのかの結論というよりはまずは、阻害要因、障害点をブラッシュアップする、という感覚のほうが、後々の順序立てた思考手順としては整合性がとりやすい。ブラッシュアップした問題点、解決課題に解決方向性を付けた上で課題解決を図っていくという風に、この後進んでいく。