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ブルーオーシャン戦略(11) 何回か回す : プロセスを行ったり来たり ~「うーん」と思ったら戻ってもう一巡

PDCAサイクル

 ここまでやっと一息ついてゴール、では当然ない。やっとスタートに立つ。十分に脳から血を垂れ流し、考え抜いて商品・サービス、ビジネスモデル、戦略が形になった。いけるはずだが、実際どうなるかは動かしてみなければわからない。人事を尽くして天命を待つしかない。けれど、まあ、最初からそんなにうまくいくはずもない。最初の数回は予行演習、どんな想定外、予期せぬ出来事、トラブル、障壁が顕在化してくるのか、それを知るためだというくらいのスタンスでいい加減かもしれない。最初のころにそれがわかれば、むしろラッキーだ。顕在化すれば対策は打ちやすい。修正して、再度押し出す、いわゆるPDCAサイクルを回してゆくということ。回しながら完成へと近づけていく。留意点としては、「予期せぬ失敗」は普通の意味での失敗ではない。ドラッカー先生の言葉を思い出しただろうか。ベンチャー起業家がチャンスととらえる順番、優先順位の話だ。「予期せぬ成功」および「予期せぬ失敗」は「市場からの期待値」であると。ベンチャー起業家としてはまず、これらの点を見過ごすことなく対応し、ものにしていくべきだと。なにせ「予期せぬ」ことは、自身としては想定外のことだし、そういうつもりではないので、失敗のみならず成功にしても、あまり歓迎すべき望ましいものではない可能性が高い。それゆえ、軽視したり、見過ごしたり、無視したりしがちになると。でもそこは掘り下げれば、とりあえずは確実に当たるポイントのはずだから、もったいないと言っている。事前にそういう意識が一本、頭の片隅にでもない限り、見過ごし、あっという間に通過していってしまう。ここで改めて再認識しておきたい。

 まあまあ、なんにせよとりあえずでも、いいにつけ悪いにつけ反応が出ればまだいい。うんともすんとも鳴かず飛ばずだと、PDCAサイクルの回しようもないかもしれない。戦略の立て方のどこかで、甘かったり、煮詰まっていなかったりしたのだろう。発想がそもそもずれているかもしれない。「ああやっぱりだめか」「しょせん無理だよね」ではない。まあそういうもんだ。もう一回ブルーオーシャン戦略の考え方の最初のプロセスからやってみよう。無責任に真理を言えば、「やり続けることさえ出来るならば、いつか必ず成る」し、「一万時間の法則」には、まだまだ全然足りない。具体的に予算投資をかけてからだと、その額面によっては戻るに厳しいことも当然出てくるだろう。そのあたりは決して拙速にはならず、前述の3つのアピールポイントやBOIインデックスでしっかりチェックしてから実行しよう。少しでも違和感、しっくりこない感があればその時点で何度でも戻ればいいのではないか。自身では頭が沸騰して温度が上がっており、あまり冷静に見れない可能性が高いので、客観的なチェック体制の構築も重要なファクターだ。

 こんな認識を最初にもって取り組んだほうがいい。最初からぎちぎちと前のめりだと、つまずいたダメージが大きくなってしまう。意識そのものがくじかれるとなかなか再起しにくい。人がなにがしかの心理状態を発するその起因となるものは、「最初の想定および期待値と遭遇する実際とのギャップ」による。あらゆるすべてに言えることだが、とにかく一番肝心なことは「最初の想定や期待値」だ。一番初めにどういう認識を持ってしまうのか、という問題。自己および他者への影響を含めて、「心理マネジメント」上の最重要論点だ。このことは当然、すべての人に当てはまる。自身が影響を及ぼしたい、又は及ぼさざるを得ない誰かに対しても同じこと。市場心理は顧客心理であり、従業員教育は人心掌握である。心理マネジメント上の核心部分は、「初期認識コントロール」の問題だ。全体の論点と少しずれたが、心理マネジメント上の肝の話を少しだけ補足として。

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