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WEB戦略構築(47) WEB制作はなぜ失敗するのか?業者と向き合うにあたって(4) 「目的の整理」 ~ アイデンティティか導線か、コンバージョンは何か、流れの設計、寄せたい見本は見つかっているか

1、アイデンティティか?導線か?

2、コンバージョン設定は何?

3、流れの設計

4、寄せたい見本は見つかっているか?

 

 1、アイデンティティか?導線か?

 今作成しようとしているその媒体は、何の目的を果たせばいいのか?その部分を明確に説明できるか、という話。なにがしかのオファーをしてもらう、つまりサイト上の役割としてはゴールまでもっていきたいのか、あるいは、興味を引き付けて次のweb上でのアクション、つまり誘導したいページやリンクバナーをクリックしてもらいたいのか。それぞれ、役割も掲載内容も別のことになる。オファーの設定は多くの場合、資料請求かメルマガ登録だ。来客型サービス業なら、予約か問い合わせ、またはお試し体験やクーポンゲットなど。契約型の、サービス業もしくは物販業などなら、有料もしくは無料のセミナー申込みなどになる。

 オファーしてもらいたければオファー申込フォームの手前までに、システム内容やサービス提供形態、料金など、具体的なことを伝える必要がある。通常さらに、それを見てもらう前に、かなり訴求をかけて情感に訴え、それなりに煽りも入れる必要はあるだろう。うちの商品・サービスの何たるか、違い、こだわり、あなたはどう変わるのかなど、いわゆる「アイデンティティ表現」の部分だ。結構な文字数、内容ボリュームになるはず。それぞれのタイトルにも、目に訴えるコピーがなかったら、訴える以前に目に留めてもらえない。一本ものの文章や同一サイズフォントでつらつらと書いても、残念ながら、読むに面倒臭い。必然、つかみや興味喚起がまずは必要で、「オファーフォーム」や「アイデンティティ表現」の前段階で、「キャッチ」の部分が必要になる。

 それ以外にも、見ている対象者への感化や教育、例えば、前提になっていること、業界標準、周辺知識などの「顧客教育」の部分もあったほうがいい。通常のサイトには決定的に抜け落ちている部分。「キャッチ」と「アイデンティティ表現」の間に「顧客教育」を入れる。そうしたほうが「アイデンティティ表現」部分の訴求説得力が上がる。この部分も結構なボリュームになる。

 HPなら、「キャッチ」、「顧客教育」、「アイデンティティ表現」、「オファーフォーム」と最低でも4項目以上にまたがる。それぞれ別のページにすれば、4クリック「も」、アクションしてもらわなければならない。そして最後には、面倒なフォーム入力が待っている。これだけの「関所」があるので、なかなかゴールにたどりついてもらえない。なので、オファーまでもっていきたければ、出来る限り失点を防ぎたいし、出来る限り障害物を取り除きたい。例えば、クリックさせて違うページへ遷移させるより、同一ページに見えている範囲で下へスクロールさせる方が、ハードルが低い。次のページに、知りたいことが記載されているかどうか、ある程度イメージと一致すれば、読む側はストレスを感じない。さらに次のページにも意欲がわく。しかし、思ったイメージと違う、知りたいことが記載されてなかったりすると、無意識ではあるが、裏切られた、となる。もう一度前のページに戻らなければならないし、どのページが正解なのか、悩んで、推測して、探させる、という、作り手が思ってもみない、かなり余計な手間をかけさせている。「ちっ、書いてないやん」、「もーっ、どこ見たらええねん」、「面倒くさっ」、「時間取らすなや」と、想像以上にストレスを与える。

 同一ページに記載されていれば、見ている下の部分に次の文字が見えている。スクロールして、さっさっさっと知りたい個所を探しやすい。読み手に余計な手間とストレスを回避させやすい。これがいわゆるLP(ランディングページ)。それ一枚で、頭からオファーのゴールまで完結させられる。到着点へランディング(着地)させる、そのこと自体が目的であり、媒体としての存在意義だ、というのがLP(ランディングページ)の意味になる。「キャッチ」、「顧客教育」、「アイデンティティ表現」、「オファーフォーム」のページ構成を悩む必要もなくなるし、「アイデンティティ表現」も最も効率よく強調しやすいし、読み手にストーリーイメージを持たせやすいし、閲覧ストレスを出来得る限り減らせる。キャッチコピー、訴求表現文章、画像なども生かしやすいし、成果測定もしやすく、改善も着手しやすい。営業に特化したオファーの成果を最も出しやすい、適した媒体形式だ。そのLPにたどり着いてもらうその導線は、「アドワーズ広告」になる。「アドワーズ LP」、成果を求めるにあたっては、まずはこの形式が鉄板。

 集客型ポータルサイトなら、そのポータルサイトそのものが導線の役割を果たしてくれる。そこでの掲載内容だけで予約が取れれば、その掲載内容で、「キャッチ」も「アイデンティティ表現」も「オファー」も兼ねている、とも言える。オファーが「予約」という設定で、ゴールがそこならば、うちの集客媒体はその集客ポータルだけで十分ということになる。しかしオファーから先の、自社全体でのゴールは何か?ということまで意識を拡げて考えてみると、それでは不十分だという話だった。定着し、「理想客化」することがゴールとするならば、集客ポータルだけでは、あまりにも伝えたいことのスペースがなさすぎる。興味を持ってくれた客の、さらなる「ふるい分け」と、「来店前にすでに定着化」を促すためには、全力表現されたHPLPが必要だ。

 逆に、集客ポータルの口コミだけで強い興味が取れた場合、サイトをまたいで来るということは、確認作業の意味合いが強い。人とか場所とか、会社および店の背景的なことの確認。であれば、LPよりは、人の紹介や会社概要のしっかりした作りこみの、信頼度の高そうなカチッとしたHPが合っている、ということになる。

 と、そんな風に顧客心理を推測し、心理変化のフローに対応するサイト上の「流れ」を考えてみれば、それぞれの媒体の、さらにその中の各コンテンツの、「役割を明確化」させないと、目的は果たしにくい。

 さらには、集客用ポータルの無い業界や、LP、アドワーズの組み合わせが適用させにくい、商品やサービスの場合、HPで表現していくことになるが、その際の「導線」をどうするのか?これがとても悩ましい問題だ。媒体候補になるのが、ブログやSNSということになる。

 知名度のない人や会社が、導線としてSNSを活用しようとしても実際になかなか難しい。固有名詞検索では無理なので、キーワード検索でかかるために、ハッシュタグのタグ付けということだろうが、ハッシュタグで検索されるのは、瞬間ワードや流行ワードなど、一過性の傾向の強いビッグワードになりがち。かつ、検索目的は、話題探しや資料収集、仲間探しがメインで、お困り系やお探し系の客の対象とは少々距離感がある。

 またブログも、SNSブームの昨今、時代遅れの過去の方法の印象すらある。一時前はSNSと同様、多くの経営者も個人でブログをやっていた。しかし、内容の多くは、お食事情報、レジャー情報、雑感、世相斬り・・・などのお絵かき日記かぼやきがほとんどだ。ビジネス色を出すと敬遠されるので、プライベートをさらけ出した方がファンをつかみやすいとかなんとか・・・。SNSの「いいね」集めと同様、目的が読者数、アクセス数集めだった。でもそれは、バナー広告や連動広告、アフィリィエイトなどの小銭稼ぎ、「広告収入バイトビジネス」の理論での話。当時のネットビジネスの寵児たちの言説にのせられている。導線うんぬんなんておろか、何のために何をやっているのか、本人たちもほとんど理解できていなかったのだろう。もっとも、ビジネスのつもりはかけらもなく、趣味の一環だったのだろうけど。という歴史的経緯があるがゆえに、以前やっていた人ほどこの当時のイメージが強く、ブログの、「自社サイトへの導線としてのビジネス活用」という論理が、どうも理解しあぐねるようだ。なので、テキストの前の方で、導線としての「ブログ活用」という表現で説明してきたが、今後表現を区別して、導線としての「オウンドメディア」と、言うようにする。

 オウンドメディアという言い方もなかなか慣れないが、マスメディア、マス広告など、「マス」の対語のような表現。オウンド(自らの)の発信メディア。自社や個人レベルで発信する、専門知識、専門技術など、専門情報の、新聞、テレビ、マガジンのこと。媒体形式としては、従来のブログのフォーマットを活用する。そこに、より画像や図表、tube動画などを活用し、サイトデザインなども工夫して、コア情報を発信する。対象者にとっては、本当に役に立つ、本当に刺さる内容だけを掲載する。ということは、かなり勉強が必要だということを意味する。相当に情報アンテナを張り、研ぎ澄ませてないと、凡庸で退屈だ。より、コアに先鋭化すればするほど、理想客候補生がへばりつくと同時に、対象外の人を遠ざけていく。コアな内容の記事タイトル一語一語が、対象者がうちを探し、見つけてくれるキーワードになる。そんな風に機能するオウンドメディアに育て、徐々に質が上がり、引きが強くなっていけば、それが最も理想的な導線だ。アドワーズ広告も、集客ポータルも卒業出来る。コストは0円。しかし、初期の勉強とライティングの苦労負担はかなり大きい。腹を決めて3年も続ければ、知識量、情報量はその道の第一人者だし、表現スキルが、一つ超能力を持ったレベルになる。自身の存在自体が、独自資源化する。何かをやりたいと思った時、おそらくなんでもやれる。

 このことを大企業は、SNS上でもやっている。これが大企業の「SNSブランディング」のこと。目的に応じた内容がまずありきで、その手段として、ブログ形式でやるのか、SNS上でも展開するのか、という話。目的は何?常にこれが先。媒体形式が先行すると、とんちんかんになる。

 ブログやSNSを導線として機能させないともったいない。お絵かき日記や趣味の発散をしていても、永遠にしくみとしては機能しない。しかし、全く無駄だ、と言っているわけでもない。「集客」の次のステージ、「定着」化への施策の段階で機能させるのであれば、それはしくみと言える。キースメソッド第4フェーズでは、定着施策を一括りに、「コミュニケーション戦略」と表現しているが、「コミュニケーション戦略=接触頻度」と定義している。理想客候補生の方々との、トータルでの「接触時間数」を指標とする。おひとりおひとりとの、「総接触時間数」を計測する。「○○さん、〇時間〇分」という計測データをとる。対面接触、店内接触の時間数には限りがある。このジャンルでのテーマは、「対面外接触、店外接触」になる。いかに、どのようにして、この時間数を稼ぐのか?これを考える。

 電話する、メールする、ラインする・・・ももちろんそう。しかし、こちらは自分の身一つしかない。不効率極まりない。従業員が複数いれば、そのチームを編成する。にしても、マンパワーは不効率。なので、媒体活用に知恵をしぼる必要が出てくる。その媒体を、「見させる」、「読ませる」、「閲覧させる」、「視聴させる」、「考えさせる」、「参加させる」、「思い続けさせる」、「発信させる」、「拡散させる」、「書かせる」、「話させる」、「宣伝させる」、「営業させる」、「感化させる」、「伝熱させる」・・・。なにがしかアクションを取ってもらった、そのトータル時間数のこと。その為にどの媒体を使い、何のコンテンツを作成するか、という話。お絵かき日記もぼやきも、使いよう。まあ、でもたぶんそれは使えない、用を果たさないのでは?

 自社側だれかの「顔写真画像」は基本、常に貼っておく。定着客会員様専用の自社メディアの作成を考える。完成されたコンテンツの、一方向発信のほうがいい。双方向は理想だが、リスクが大きい。そのつもりでない失点を防ぎにくい。グループラインとか、既読だの未読だの、都度都度返さなければならないスタイルは、自らの首を絞める。内容も形式も、後先よく考える必要はある。

 話遡って、こちらの定着施策よりも、優先順としては、集客のしくみとしての導線づくりが先。

 

 2、コンバージョン設定は何?

 コンバージョンとは、アナリティクス上でのゴール設定のこと。要は、オファーの獲得率。自動集客の役割を果たしてほしいそのサイトをアナリティクスで解析する際、「コンバージョン設定」というのを設定するが、そこをどうします?という話。

 アナリティクスの理解から伴わないと、話が通じない。例えば、オファーが「資料請求」だとして、そのサイトの資料請求のフォームに入力して送信すると、次に「資料のご請求いただき、ありがとうございます。」というお礼メッセージのページが出てくるが、このページを通常、「サンクスページ」とかいう。このサンクスページにも、1ページ分の個別のURLがある。そのサンクスページのURLが開かれた、つまり、そのページにアクセスがあった、ということをもってオファーが達成されたことになる。アナリティクスの設定上、このサンクスページのURLを登録設定しておく。そうすると、このサンクスページに到達した都度、コンバージョン達成が一つずつカウントされるという仕組みになっている。そのサイト全体にアクセスがあった数のうち、コンバージョンに到達した数がいくつあったのか、その割合数値が「コンバージョン率」になる。

 そのサイトにアクセスがある前、どこから来たのか、サイトに複数ページあり、順番にクリックしてもらうように流れを設定したとするならば、どこで止まってしまったのか、一連の工程の中で、どこで滞る確率が高いのか、など原因を突き止めて、そこを改善する。そういうことをやるのがアナリティクス。アクセス数をチェックするカウンターではなく、「改善」の為の、原因解析ツール。とんでもなく優れた、便利なツールだ。しかも世界中誰でもが、タダで使える。活用できてますか?アナリティクスの活用以前に、サイトを改善し、よりスムーズな「自動集客マシーン化」させようという意識は旺盛ですか?という話。

 サイトを、より精度の高い集客マシーンへと高めるためには、アナリティクス解析は不可欠に決まっている。でも多くの人は、アナリティクスの使いこなしが難しく、数値測定による解析で改善するのではなく、なんとなく感覚で改善していることがほとんどだろう。まあ、直感的な感覚が一番正しいという側面もあるが、しかし、より精度を上げていく為の段階的な根拠は立てられない。「そこを触るのはなんで?」に対する数値的な回答と、「で、よくなった?」に対する明確な数値改善の回答は、永遠に出来ない。数値根拠で客観的に精度を高めていく、それがそもそも「しくみ」だ。

 コンバージョン設定するにも、「具体的な一つのURL」を確定させなければならない。それはどのページにするのか? そのサイトにオファー設定があれば、わざわざ考えるテーマでもない。しかし、今作成しようとしているそのなにがしかの媒体は、明確なオファー設定のあるものですか?集客ポータルやLPなら、そもそも最初からそういう目的の媒体なので、最初から織り込み済みのはず。なら、導線の為のブログ(オウンドメディアとしての意味の)は、どう設定するのか?あるいはHPには必ず、資料請求やメルマガ登録や無料セミナーや予約やクーポン・・・を設定するのだろうか?業種や商品・サービス内容によっては、どう設定していいかわかりにくいこともあるのではないか。あるいは、混乱回避のために、予約オファーは集客ポータルのみに集約させ、HPはオファーフォームを設けず、電話での申し込みだけにしてあるような、理美容サロン、飲食店は多いはずだ。では、そのHPでのコンバージョン設定はどうするのか?「流れ」の整理はつくだろうか?そもそも意識したことはありますか? 「導線」と、いまや当然のようにテキストには出てくるが、そもそもどういう意味か?集客ポータルとHPという組み合わせの店舗が圧倒的に多いが、それぞれの媒体の役割、目的は?どういう棲み分け?という、問題提起。

 

 3、流れの設計

 この、「流れの整理」がつきながら、作業を進めている方には、無駄な時間だ。しかし多くの方にとって、こられらの問題提起に対する回答は、「流れの設計」が先に立っていないと、出来ないはず。媒体作成ありきで、先行して作業が進んでしまった後で、後付けで、付け焼刃的に考えようとするから結局、つじつまが合わなくなってしまう。なのに、媒体の成果が思わしくない時は、web業者のせいにする。「いやだって、プロでしょ」。じゃあ、そんなところから考えてくれる制作業者は見つかりましたか?そこから触るためには、今ここまでの一連の説明が必要になり、「制作屋としてのビジネス」は成り立たない。そこから触ってほしければ、数百万かかる、という話だった。この数百万円のコスト負担を、自分で埋めたい。「流れの設計」に、悩んだことはありますか?ここが出発点の問題。

 ということで、「流れの設計」を考えたい。作成する各媒体のまたぎ、webサイト上のコンテンツを、お客さんが、どの順番にどう進んでほしいのか、という「流れ」。お客さんの心理変遷に対応し、理想客候補生へと変貌させていく、その工程の「流れ」。「いやいやだって、お客さんが何を知りたがって、どのページを見たいかなんて、こっちで分からないじゃないですか」、「こっちで、へんに誘導とかしようとしたって、そんな風にうまくいくわけないじゃないですか」。

 優秀な営業マンは、基本、その人の「型」、「パターン」を持っている。まず、どうアプローチして、どう聞く耳を持たせて、どう相手の意識をたきつけて、どう興味をひきつけて、どう相手の琴線に響かせて、どう不安を取り除いて、どう、しないほうが不利益なんだと思わせて、yes以外の選択肢を断ち切るか。でも結局、本人が自発的にそうしたいと思う形で、落としどころをつける。いかに、そのレールに乗せるかという、「能動的な誘導」だ。相手任せ、相手次第なんていう、ゆうちょな受け身の人はいない。どれだけ研ぎ澄まされた、命中確率の高い「型」、「パターン」を創り上げるかで、その人の稼ぎも、人生も決まってしまう。うちの集客マシーンであるそのサイトは、うちの「非人間型営業マン」ではないのだろうか。鉄板となる、研ぎ澄まされた「流れ」が、そのサイト上になければ、基本、用を成さない。サイトを作るためだけに作ることが、知らず知らず目的になってしまっている人は、こういう根本的な理解に戸惑う。サイトは、文字と図と画像による、口を使わない営業マンの役割としてのツールだ。

 webサイトの「流れ」にも定型的な型があり、それについての説明もたくさんある。以前見た、「AIDMA」とか「AISAS」とかもそうだし、「カスタマージャーニー」とか「マインドフロー」とかも、そもそもそういうことだ。それらの中で、効率的な型、流れに特化し、サイトとしての形に仕上げてあるのがLPになる。このLPの鉄板パターンをとりあえず見ておこう。

 まず「認知」の段階があるが、この部分がアドワーズ広告に当たる。LPのコンテンツ内には、もちろん、この「認知」フェーズは含まれていない。LPに限らず、webサイト、各媒体自体には「認知」機能は果たせない。この「認知」フェーズをそもそも、宣伝広告という。媒体として「認知」機能も兼ねられるのは、「有名」集客ポータルぐらいになる。集客ポータルでも、「有名」でなければ、「認知」機能を果たしているとも言い難い。ペッパービューティーやぐるなびは、誰でも知っている。しかし、「知っている」だけでは機能しているとは言えない。「未だ知らない」美容室や飲食店を探すときは、みんなだれでもが、ペッパービューティーやぐるなび「で探す」。「未認知の美容室や飲食店を探すときのツール」として、社会インフラとしてのポジションを確立している。から、「その中に存在し」ていれば、そのこと自体をもって認知機能を果たす、ということになる。

 「流れ」全体の中でも、最大の難関は、この「認知」フェーズになる。露出勝負、目立ち勝負は、「資力」勝負だからだ。小さなところはそもそも勝負にもならない。その最難関を肩代わりしてくれているのが、リクルートであり、ぐるなび社になる。TVCMをがんがんかけ、他ポータルを退け、社会インフラ化した。掲載料は、その「戦費の応分費用負担」という意味合いになる。恵まれた業界だ。「ペッパーやぐるなびは暴利を貪っている」と、業界の方からよく聞くが、見当違いも甚だしい。それがなければ、物理的接触以外には認知すらされない、という現実認識が欠けている。

 それ以外の業界で同様のことが言えるのは、やはり「google」ということになる。検索エンジンの社会インフラ化、アドワーズ広告の社会インフラ化。ただ、こっちの場合は、「単語、キーワード」の中の戦いは、自力格闘が基本になる。掲載自体を競り落とさなければならない。話の流れから外れつつあるので、この点については別の機会に。

 LPに限らず他のすべてのwebサイトも同様だが、LPで構成される「流れ」は、「認知」フェーズから先の流れになる。構成される項目の表現形式は様々あるので、表したい意味表現で表してみる。

 

  1、「つかみ、キャッチ」 → 2、「興味喚起」 → 3、「問題提起」 →

  4、「周辺知識、業界常識」 → 5、「あるある、不満共感」 → 6、「解決事例」 → 

  7、「商品・サービス紹介」 → 8、「何が違う」 → 9、「こだわり、苦労」 → 10、「裏付け、証明」 →

  11、「不使用の不利益」 →  12、「期限、キャンペーン」 → 13、「入手方法」 → 14、「オファー1」 → 15、「お試し、返品保証」 → 16、「オファー2」→

  17、「あなたの幸せの為に、魂注入」 → 18、「オファー3」 

 

18項目もある。もっと細かく分けることも出来るが、一般的にはこんなに分割して説明されていない。細かくても10項目ぐらいで、通常は56項目ぐらいが多い。これらの構成項目のすべてを埋めようとする場合もあるし、省略したり、当てはまらない項目も当然ある。世の中に存在するサイトのほとんどは、まさか、こんなふうにはなっていない。あえてそうしてないというより、そこまで考えてないだけだろう。制作業者も、そこまでがっつり予算をかけてくれる客もなかなかないので、多くは「ご予算範囲」で茶を濁す。

 18項目を内容ごとにまとめると、13は「興味」、46は「顧客教育」、710は「アイデンティティ」、1116は「オファー、クロージング」、1718は「信頼醸成」という感じ。一般的には、46の「顧客教育」や1718「信頼醸成」なんていうのは、ない。しかし、46の「顧客教育」を付加することにより、710の「アイデンティティ」部分の説得力が増す。逆にないと、アイデンティティの主張が一方的に聞こえてしまう。410までがっつり表現するなんてことは、通常ないばかりか、7の「商品・サービス紹介」に、毛の生えた程度の、8の「違い」を付け足す程度がほとんどだ。さらに言えば、13の「興味」部分においても、1の「キャッチコピー」は訴求ポイントがずれやすいし、3の「問題提起」も弱い。思わず読まされたり、無視できずに考えさせられざるを得ないほど、切り込んでいるようなものは、なかなか見ない。であって、到底、「自社サイト=優秀な営業マン」たり得ない。まずはフルセット、思い切り書ききってみよう。

 4の「周辺知識、業界常識」をまとめることは、業界全体を俯瞰することになる。その業界の中にいる、どっぷりつかった人ににとっては、そのことが一番出来ない。改めてそういう機会を設けることで、見えてくるものが絶大なはずだ。それが見えて初めて、「うちは何が違うのか」、その本質、核心が語れるようになる。17の「あなたの幸せの為に、魂注入」は、社長あいさつとか、理念、ミッション、ビジョンに該当するような内容のところ。「理念、ミッション、ビジョン」とはよく言うし、まとめてあったりするかもしれない。しかし、だれかに正面切って語りかけたことはあるだろうか?それを伝えようとして、その相手の方は何か、魂を揺さぶられるようなものを感じさせられることは出来るだろうか?せめてなにがしか、小さな共感だけでも取ることは出来るだろうか?表面だけきれいにまとめた、「理念、ミッション、ビジョン」では、だれの心も打たない。それがあなたのビジネスの実態だ。魂を注入するべく、改めて考えてみたい。「信頼醸成」というのは、正しいとか、間違いないとか、実績があるとかだけの意味ではない。経営者個人の「魂の共感の積み重ね」、ということ。

 141618の「オファー123」とは、単純に「申込バナーボタン」のこと。それを3段ぐらいに、間にさしはさんでいくというだけの話。

 まずフルセットでがっつりと文章化してみる。すると文章が多すぎるので、割愛するために、その内容に当てはまる、図や画像に置き換えることを考えていく。ワンフレーズで言いまとめられる、キャッチコピーに悩む。出来る限り、図や画像やキャッチコピーに置き換えたい。そうやってLPのような構成に変身していく。効果的な画像やキャッチコピーは本来、専門職の領域レベルだが、しっかり言語化出来ていれば、的確なイメージもわきやすく、知恵も出やすい。何が伝えたいかをしっかりイメージすることにより、うまく表現したいという衝動が強く沸き起こる。「これだけ考えてダメなら、仕方がない」と思えることがまずは大事だ。

 ここまで考えて、読み手の方にしてほしいことはただ一つ。オファーバナーボタンをカチッとクリックしてもらう、その一点。これがコンバージョン設定の話。認知フェーズをどの媒体に乗っかるか、から始まって、LPフルセットを死ぬ思いで創りこみ、そしてオファーバナーボタンをクリックしてもらう。これが「流れの設計」の一番大枠。「流れ設計」の中身、メインは、LPフルセット18項目を、どう文章化、図化、画像化、キャッチコピー化するか、根気勝負、体力勝負ということ。

 実際的には、LPで作成している方が少ない。多くは、「とりあえずHP」になっている。もちろんLPでなければならないことはない。要は、この「流れの設計」、「優秀な営業マンとしての18項目」を、「どう配置するか」の問題。HPはどうしても複数ページにまたがり、ページ遷移の関門を自ら作る。ブログやSNSで項目の一部を代替することもできるが、ページ遷移よりさらに難関な、媒体遷移の難関が待っている。成果を求めるに、障害要素を減らし、よりベターなのはやはり、「アドワーズ→LP」が鉄板バターンであるには違いない。そこから、アドワーズの部分を「オウンドメディア」で代替させるのが、キース会での目指すところだ。ペッパービューティー、ぐるなび、エキテンなど、社会インフラ化した集客ポータルのある業界は、アドワーズの代わりにそれがマスト。一般に、今はSNSHPの組み合わせが標準で、アドワーズとLPの組み合わせのほうが特殊な印象があるが、「何をどうしたいのか」と「その流れの設計」を、根本から考えれば、どの媒体を選択するか、どう組み合わせるかは明確な話のはずだ。

 

 4、寄せたい見本は見つかっているか?

 制作業者が客側から一番欲しがる情報は、見本にしたいサイトだ。制作イメージのアウトラインをそこから考えるのだろう。テキスト材料とか画像材料はもらえども、それだけではどうしたがっているのかはつかめない。一度ぐらいはヒヤリングをするが、ほぼらちがあかない。というより、逆に何度も聞くと、無理難題な注文ばかりが増えていく。明らかに、無理難題だとわかるような注文なら、逆に断りやすい。どうしたいのかがわからない、正解がまったく読めない、理解するにも断るにも困ることばかり言う。

 客側とすればまず、技術的に何が可能かどうかがわからない。技術的に、何が手間か簡単かがわからない。技術手間として業者側が、何を嫌がるかがわからない。しかし何かで、「こんな感じのサイトがいい」と思うものを見ているので、出来るんじゃないの?と思っている。その「いい感じ」と思っているサイトの会社と自社の、前提として何が違うのかがわからない。自社商品・サービスのクオリティレベル、もともとの訴求度の、相対的な弱さの程度が、自分ではわからない。業者の困惑程度が、他と比べて第何位で困らせているのかがわからない。となって、業者側はさぐりさぐり、客側は妥協で完成する。その後の、サイトからの成果も芳しくなく、不満を持って他の業者を探し、作り直す。

 そんな歴史を繰り返してきたので、業者側の多くの受注形態が、ヒヤリング1回、デザイン修正2回までと制限を設け、客側の無理難題からバリアを張っている。消耗品として、気に入らなけりゃ何度も作り直せ、が、マーケットのスタンダードになってしまっている。でも、1回の作成で30万ぐらいずつはかかる。ファーストタッチ・コミュニケーションでの「ゴールの絵合わせ」、というのは、この業界でも十分差別化になる。しかし、現状そんな業者はないので、客側として、どうしたいのか、しっかりと考える。それでも互いのコミュニケーションはうまくはいかないという前提で、やはり、実物として見本を探しておくことが大事。一つの独立した業務として、探す時間を確保したい。で、なぜそのサイトが見本なのか、その理由がしっかりプレゼンできるように考える。いくつかの候補を比較しながら説明できるようにする。そうやって、サイト分析力をつけていく。

 

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