「経営スクール & 経営コーチング」 小規模法人、店舗、個人事業の経営者様向け個別対応による講習とコーチング

経営お役立ちマガジンブログ 経営学習塾キース会 副読本 経営テーマトピックスあれこれと経営の学びコンテンツいろいろ経営お役立ちマガジンブログ 経営学習塾キース会 副読本 経営テーマトピックスあれこれと経営の学びコンテンツいろいろ

【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

【無料セミナー】「経営思考力を高めて」30年儲け続けるしくみ創り

Link

事業承継スキーム(5) 役員退職金(2) ~生命保険の活用の仕方

先回は、株価引き下げの一つの方法として退職金支給を見ました。株価対策と言うより、退職金は先代オーナーが引退の際には当然受け取るもので、結果として総資産が減少し、株価の低下にもつながるということでした。

その退職金の「支給原資の準備方法」として生命保険を活用するケースが多く、法人における生命保険の税メリット、および退職金原資の準備における優位性について見ていきたいと思います。

生命保険の税メリットは、ダイレクトな言い方をすると、本来なら税金のかかる利益を保険料として保険会社に支払い、社外へ一旦キャッシュアウトすることにより、経理処理上、損金として処理が出来、税引前利益が減少し、税額が低くなるにも関わらず、その支払った保険料は解約返戻金として、ほぼ全額か場合によってはそれ以上のプラスアルファされた金額が、保険会社に積み立てられ、会社の帳簿以外の外部機関に、会社の利益を税金がかからずにストックしておける。ということです。

ダイレクトな言い方だとそうなりますが、こう表現すると、租税回避の行為として行為否認の対象となり、損金処理は認められない、となります。生命保険の加入目的はあくまでも、万が一の際の保障であるがゆえに、その保険料は損金処理できるのであって、その払ったお金が積み立てられているのは保険会社の対応の問題です。会社とは一旦関係ない話となりますが、しかし、その積み立てた解約金を保険解約して、会社に入金された時点で、そのお金は収益としてその期の利益に加算され、課税対象となります。

なかなかここまではっきりした表現は、保険屋さんとしてはできませんし、書物にも書けないので、今一つすっきりしないわかりにくさが付きまとう背景かと思われます。実際としても結局、税の繰り延べにすぎないと言われるゆえんです。

たしかに、税の繰り延べにはすぎませんが、その期に税金として払ってしまえば、もう戻ってくることはありません。保険会社にでも、どんな形であれ一旦ストックしておくことが出来れば、自己資金には違いはないので、その後の赤字補てんの必要な際や、設備投資などのキャッシュの必要な際には、解約手続き、もしくは契約者貸付などの方法により2,3日でキャッシュ化が可能です。

そのストック金が入金されても、契約者貸付なら借入金ですし、解約金でも赤字補てんならそもそもその期の課税はないでしょうし、設備投資なら何年かには分割されますが減価償却してゆけます。

テーマの退職金の原資も当然、この保険会社へのストック金が合理的で適った方法だということです。先代オーナーの退職もしくは会長などへ分掌変更するその年に、解約をして、ストックしてきた解約金を取り戻し、そしてその期に退職金として支給するということです。その期の収益に計上されますが、その期に退職金支給として損金処理し、相殺してしまえるということです。会社としてはそのストック金による課税はなくすることは可能です。ですから、生命保険もきちんと計画的な設計、利用であれば、税の繰り延べという表現にもあたりません。

あとは受け取った個人の退職所得の所得税の対象にはなりますが、先回見たように退職所得はあらゆる所得の中でも最優遇ですから、毎年の役員報酬を必要以上にとるよりは、生命保険積立として社外ストックしておき、退職金として最後にとったほうが、キャッシュアウトの総額は少なくできるということです。

日々の経営も事業承継の場面でも、その最も重要なことは、会社およびオーナー一族の範囲から、それ以外へのキャッシュアウトを以いかに少なく抑えられるか、その為のすべてかと思います。そこから逆算して、よりベターで合理的な方法を選択するということになり、そういった意味では、「生命保険」は流動性という観点も併せて考えれば、「不動産」以上に使えるツールではないでしょうか。

このページのトップへ