目的達成のレシピ(1) 手順と盲点 01 ~手順設計はケーキレシピのように
人生の目的、事業の目的を達成する為には、能力やがむしゃらな努力だけでなく、目的達成の為の思考の仕方や意識の啓発も必要だ、という立場をとって論を進めていきます。
単語の定義として、果たしたい本丸、ゴールを「目的」とし、その為のプロセスとして順にクリアしていくマイルストーンの設定を「目標」とします。
目的を達成する為に様々に思考し、思い悩み、計画します。最終ゴールに向けて、順番に、段階的に目標を定めます。まずは一番手前の目標から順次、1つ1つクリアしていこうとするはずです。ビジネスや各種試験などはもちろん、ジグソーパズルや80巻ある漫画を読むときも。
いきなり大企業に売り込みには行かないでしょうし、無勉強で試験には臨みません。いきなり1万ピースはしないでしょうし、最終巻の最終ページだけ読むことはしないでしょう。いきなり最終関門だけに臨んでも、通常は撃沈します。そこには厚い壁が立ちはだかります。どうやって順番に突き崩していくのか。
最終関門の易しいものや、ゴールまでの手順が一般的によく認知されているようなものは、取り組みやすいです。しかし、関門の難しいことや目的達成の見本を知らないことは、自身でその手順を策定してゆかなければなりません。
難関な目的を達成した経験も、達成出来なかった経験もあるはずです。それぞれ一体何が違ったのか。よりきめ細かい目標設定に分解し、緻密に計画し、無理なく順調に実行出来たものは、達成の確率は高いはずです。あまり深く考えず、粗い計画で、実行自体に無理があったときは、逆に低いのではないでしょうか。
「目標に分解し、計画的に実行」すれば、たいていの目的は達成出来ます。しかし、目標設定のしやすいことと、しにくいことがありますし、プロセスを分解するキメ細かさには個人差がありますし、計画の的確さや具体性など、緻密さや精度にもバラつきが出ます。それらの精度がバラバラで不十分であれば、実行するにも支障を来し、目的に直結しないムダとムリが積み重なります。
要は、「目的遂行能力の差は、手順策定能力の差」、という言い方にもなります。
このテーマでは、その「手順策定能力」を高めていくことと、その中で突き当たる「意識の盲点」という部分にスポットを当てていきたいと思います。
「手順策定」という表現では何か具体イメージに欠けるので、他に何か言い方は無いか。「実行マニュアル」とか、「事業計画」とか・・・。それもちょっと重固いし、このテーマについては出来るだけlightな感覚のほうがいいと思うので、「レシピ」、という表現で進めていきたいと思います。
「レシピ」の中でも、何のレシピに例えるか。フレンチ、中華、和食・・・本格的な料理の部門では、言葉や文字には表しきれない、経験や勘という要素が多分に大きく重要になってきます。それよりは、もちろん経験も勘も必要だけれども、よりその部分に頼らない、しかしその分、緻密できめ細かい数値と工程と準備が必要になる、「洋菓子」、で考えていきたいと思います。
洋菓子作りは、ざっくりと感覚でいくと失敗しやすいです。しかし、分量をきちっと量り、きめの細かな丁寧さで、手順どおりに進めていけば、期待を裏切らない成果をある程度、約束もしてくれます。
「経験や勘」という部分を「能力の個人差」と置き換えてみて、目的達成のゴールを、個人の能力差ではなく、「手順策定」で勝負する土俵へと持ち込みたいわけです。