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目的達成のレシピ(19) 材料のお買い物 : 必要事項のリスト化、不足の補充、コンフォートゾーンの設定変更(8)~記憶の3分類

「知識記憶」の熟成、成長

 ・長期記憶は大きく分けて3つに分類されています。「経験記憶」、「知識記憶」、「方法記憶」があります。

 「経験記憶」とは、生命維持にかかわる非常に最重要な記憶です。生死にかかわる危険な行為、事柄、場所、食物等は絶対に忘れません。経験はもちろんしませんが、教えられればそれを本能が法則化し、類似のことも推測して記憶に留めてゆきます。それと感情が大きく揺れ動いた経験、事柄、物事等です。それについてはその感情と経験、出来事がセットで保存され、これも記憶の中で法則化され、推測して、類似の事柄に遭遇した際に、セットで保存されている感情が発動する仕組みです。自分の意思とは別次元で、脳の機能が一段と高度に働く領域の記憶帯です。

 「知識記憶」とは、自分の意思で覚えようとした記憶です。学習や勉強して習得していく知識です。生死にかかわるほどのものでも、強烈な感情を伴うことでもないので、脳としてはそれほど重要情報としては認識してくれず、なかなか覚えられない、記憶に定着してくれにくいわけです。ですのでこれを克服する方法は、その情報に接する頻度、回数です。今テーマにしている「アイデアのひらめき」、「目標達成へのプロセス分解」、「具体行動表現」等の解答をはじいてもらうための材料とは、この知識記憶の領域です。ここに、その目標の方向性に沿った、正しく有効な記憶が蓄積されていなければ、目標達成に向けて「どうやって」、「どのように」の答えは出てきません。

 「方法記憶」とは、体で覚える記憶です。自転車の乗り方や泳ぎ方などの習得です。理論ではないので記憶に定着しにくく、時間がかかります。しかし一旦覚えてしまうと、ほぼ一生まず忘れません。技術職、作業労働、肉体労働、スポーツ選手などの方は決定的に重要な記憶領域です。

 ・「経験記憶」、「知識記憶」、「方法記憶」の順番でやはり、より記憶の内容、質の抽象度が高く、及ぼす影響度が大きく、脳のより高度な働きが求められます。逆順で、より記憶の独立した個別性、具体性が高く、及ぼす影響が限定的で、脳の高度な処理能力の必要性が低くなります。「経験記憶」を意識的に顕在意識のレベルで活用、応用することは難しいので、やはり「知識記憶」にいかに蓄積量を増やすべく、刷り込み作業として情報接触頻度、回数を上げるか、が課題となります。

 具体的にはやはりまず、毎日毎日リストを修正し、とりあえず見て、キーワード、項目を脳に刷り込む。そしてその目標の方向性に沿った内容の本を読む、ネット検索をする等でしょうか。興味のわくもの、知的欲求のわくものから着手してゆきます。一旦記憶された記憶は睡眠中に、熟成され、再整理され、成長してゆきます。覚えたてよりも、数日たってからのほうが体系だててアウトプットしやすくなるのはこのためです。そしてこの記憶の熟成、成長がさらなる知的欲求を呼び起こします。一旦蓄えた記憶を基に、「じゃああれはどうなんだ」、「これに関するもっと深い部分を知りたい」、と連鎖的に思うようになるので、そう思ったら、ひらめいたら、そのキーワードを漏らさずに毎日のリスト整理作業の中で書き留め、そのことを調べます。このことをひたすら繰り返してゆくわけです。書き留めないと、忘れて流れてゆきます。

 ・記憶の達人が知的欲求、知的好奇心を感じている時に、海馬あたりから発せられる脳波がθ波だそうです。同様に私たち普通の人でも、知的欲求、知的好奇心の高まっている時はθ波に近いと言われており、必ずしも睡眠中にしか起こらないというわけではありません。しかし、日中活動中では発しにくく、静かに極端にリラックス出来た状態でないと難しいようですが、それでも誰しも、睡眠中には一度はθ波の時間帯があるので、これを意図的に活用しようというわけです。活動中にせよ、睡眠中にせよ私たちの毎日の生活サイクルの中で、最も重要な時間帯がこの時ではないでしょうか。もっと意識してこの瞬間を書き留め、活用してゆくのがポイントです。

 とは言え睡眠中に書き留めることはできませんし、睡眠中の脳の活動は潜在意識の働きなので、顕在意識では認知することはできません。これを顕在意識に上らせる作業、時間帯が必要です。それが寝起きの10分、20分後の時間帯です。ですので、起床時間の30分ほど前に目覚ましをかけておき、洗顔や朝食はせず、そのまま寝床で1020分ぼーっとしながら、夕べ寝る前に課題としてリスト化した内容を思い浮かべるようにします。すると、あくまでも自分自身のその段階、レベルの話ではありますが、課題の解答らしきヒント、ひらめきがふぁーっと浮かんできます。これを逃さずに書き留める、パソコン入力するということです。この寝起きの時間帯は、スコトーマやメンタルブロックもまだ活動しにくい状態なので、一番自由に自分自身を解放した状態で脳が活動しやすいようです。そこで出てきた解答、ヒントが日々の知的欲求の知識記憶の蓄積と相まって、さらに深く、さらにバラバラに分解され、足元の行動にまで落ちてきます。どんどん詳細でリアルなイメージに落ちてきます。あまりにも大きすぎ、漠然とし、何をどうしていいかも全く分からなかった夢のような目標の、「どうやって」、「どのように」の具体策がこうやって目の前に落ちてきます。「降りてくる」という言い方をよくするでしょうか。

目標明確化の最速ルール 29、「知識記憶」刷り込み頻度を上げ、熟成、成長の履歴を逃さず書き留めろ

参照 : 性格のタイプ・増補改訂版、アファメーション、NLPタイムラインセラピー、NLPコーチング、思考のすごい力、カレーライスの方程式、148時間にして夢をかなえる、戦略の見える化、脳が冴える15の習慣

 

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