WEB戦略構築(21) マーケティングライティング(5) ~考えるマシーン化
「考えるマシーン」化
「上手に書けない」、「なかなか沢山読めない」、「何をよんだらいいかわからない」と、だんだん問題意識自体が的を得てきた。問いの立て方が核心に近づいている。知識、情報、問題意識、ボキャブラリーが蓄積してくれば、書きたいことの案やイメージは多少わいてくる。で、実際書き始めようとペンを持ってはたと、もっと根源的な問題意識、問い立てにぶつかる。「どう考えていいかわからない」と。少し漠然と枠組みが大きいかもしれない。もうすこし細かくいくと、「商品やサービスの良さを伝えたらいいのか?」、「どういう風に効果があるかを伝えたらいいのか?」、「どう変わるかを伝えたらいいのか?」、「あなたはどんな考え違いをしているのかを教えてあげたらいいのか?」、「他のものは何がダメなのかを説明すればいいのか?」、「そんなこと言うと印象が悪くなるからやめた方がいいのか?」、「そもそもだれに?」、「そう考えてみると、うちってそんなに言うほど何も大したこともないけどな・・・」、「安売り競争に入ったらダメだったな。決して高くはないことを宣伝すればいいのか?」、「で、結局どの内容とどの内容を書けばいいんだ?」、「全部はさすがに多すぎて無理だろう。まさか全部書くのか?」、「書いたって、どう考えても誰も読まないだろう」、「面白く、目立つように書く方がどう考えたって先じゃないか」、「よそってどうしてるんだろ?」・・・。
より根源的な問題点として、「目的が整理できない」、「優先順が立てられない」、そして、「文脈自体が立てられない」、「ストーリーを構築する力はない」。そもそもそんな風に物事を考える習慣がない、のではないだろうか。あなた自身の中にさしたる「意見」、「主張」がないことが、最大の問題点だ。
何かに強い不満を感じたり、不合理にさいなまれたり、強烈な問題意識を持たない限り、人は昼夜を問わず地団駄を踏んで真剣に物事を考えない。脳から血だれを垂れ流しながら発狂しそうになったことはあるだろうか?今のこのテーマ全体の文脈から言えば、そういう体験がないとすると、それが最大の不幸だ。そんな風に真剣に考え見て初めて、じゃあ自分はどう思うのか、どうしたいのか、どうしていくのかの「意見」や「主張」が生まれる。ふわふわと流れて生きていくのが究極の「リスク」だ。まあそこまで言うと、そのこと自体に賛否両論、色々な考え方があると思うが、今私たちは事業を営む経営者だ。普通の方の人生と同じように考えること自体が意識錯誤ではないか。誰かに何かを伝えていかなければならない立場を選択してしまったのだ。誰かをどんな風にか動かしていかなければならない必要性を負ってしまった。その立場にある、という覚悟、認識が薄くはないだろうか。言葉で、文字で、人の人生を変える力を持つ以外にはなくなった。昼夜を問わず「考えるマシーン」化だ。
で、どう考えたらいいか。このことは残念ながらどこでも習わない。皆同じ問題で悩む。なのでとんでもなく賢い先達方々が、色々な考え方自体の方法論やツールを残してくれている。ロジカルシンキングテキストでやったので詳述しないが、まずは大まかな思考の枠組み作りから取り掛かるのが基本手順だ。「フレームワーク」というやつだ。いくつかのものは覚えて、頭に入っているだろうか。
今回の「マーケティングライティング」の場合、まず大きく「内容・意図によるコピー種類の違い」と「書く手順」の2つに分ける。「内容・意図によるコピー種類の違い」ではさらに2つ、「バリュープロポジション、USPの概念の理解」と「キャッチとタグラインの違い」について。「書く手順」については、考えていく論点の順序と実際の書く作業の順番について5段階ぐらいに分けて、「1、企画構想」、「2、原文執筆」、「3、編集」、「4、翻訳」、「5、校正」で見ていく。